【要注意】釣りで使う塗料・薬品、その使い方で大丈夫?

パーツクリーナーやガイドのエポキシ接着・ルアー塗料などを行う際に使用するシンナー類、接着剤や塗装剥離剤などなど…

釣りに関してDIYをしていると、結構な種類の薬品類を使用する機会が生じます。

正しい知識を持っていないと、最悪、中毒症状に陥ることも!?

今回はそれらの取り扱いについて、注意事項などをまとめていきたいと思います。

釣りで使う薬剤や塗料の正しい知識持ってますか?

こんにちは、一応生粋の理系おじさんのみかんです。

最近は釣り関連のDIYに熱が増し、ルアー塗装やリールチューニングなどを行う機会が増えています…が、ふと「釣りで使う薬品類の知識って皆さんどれくらい持っているんだろう…」と思い、記事を書くことを思い立ちました。

一応、おじさんは危険物取扱者甲種も取得しているし、有機溶剤作業主任者講習も受けているので(でもちゃんと全部記憶してるのとは聞かないで)、お節介ながらちょっと注意喚起してみたいと思います。

火気厳禁!な引火性液体

リールチューニングには必須アイテムの「パーツクリーナー」。

▲リールメンテナンスにKDWツールは必須です♪

ギアのグリスやベアリングのオイルを除去してクリーニングするには必要不可欠なものですよね。

こいつに含まれる洗浄成分といえば「ヘキサン類」です。

具体的には「イソヘキサン」や「シクロヘキサン」を含有しているものが多いかと思います。

▲成分表には石油系溶剤としか書いていませんが…

ヘキサン類は危険物第4類-第1石油類(危険等級3、非水溶性液体)に該当しており、引火点がとても低いことが特徴です。

その特性から、扱う際には当然「火気厳禁」となります。

タバコや暖房器具等のそばでは使用しないでください。

また、吸引した場合には高濃度だと意識障害(低濃度だと頭痛程度)を引き起こすため、室内で使用する場合には当然十分換気できる環境下で使用しましょう。

最悪、中毒症状も…な有機溶剤

有機溶剤という言葉は馴染みがなくても、「シンナー」という言葉はどんな方も馴染みがあるのではないでしょうか。

シンナーというのは特定の化学物質を指すのではなく、様々な薬剤を薄める溶剤の総称です。

※シンナーの「シン」は「Thin(薄い)」が語源

釣り関連だと使用される場面が一番多いのは、エポキシや塗料を薄める際に使用するシンナー類ではないかと思います。

これらにはトルエンやキシレン、アセトンなどが含有されています。

▲実は「有機溶剤中毒の恐れ」とちゃんと記載されてますよ。
▲もちろんラッカースプレーなどにも含有されています。

シンナーを故意に吸引し続けると、薬物中毒になるイメージは大半の人が持っているかと思いますが、具体的な話をしていきたいと思います。

トルエン・キシレンについて

トルエンキシレンは、毒物及び劇物取締法にて劇物に指定されています。

もちろん劇物指定されているのは原体の話であり、混合されている製品自体については劇物にあたるわけではありませんが、有害性については変わりません。

一般的用途で販売されているいわゆる「薄め液」はトルエンよりも毒性の低いキシレンを主成分としているようですが(あとは酢酸ブチルなど?)、トルエンもキシレンも神経毒性作用があり、意識障害などを引き起こす可能性があります。

アセトンについて

また、ルアーリペイントなどをする方は、塗装剥離剤なんかも使用されるかもしれませんね。

塗装剥離剤というとなんだか物々しい感じを受けますが、いわゆるマニキュアを落とす際に使用する「除光液」です。

こちらは一般的にアセトンが含有されているかと思われます。

濃度的には特殊な製品以外では、高濃度で含有しているものはまずないかと思いますが、後述する実例にもあるように、目刺激や神経毒性作用を有しているため、やはり扱いには注意しなければなりません。

なお、アセトンについては毒劇法の対象になっていませんが、トルエン・キシレン・アセトン、これら全ては「第2種有機溶剤等」に分類され、有機溶剤中毒予防規則の対象になります。

中毒症状の実例

いやいや…中毒症状なんて、そんな大げさな。そのまま吸引したり飲み込んだりしないとならないのでは?

…と、思う人が多いかもしれません。

しかしこの実例をみるとなくはないんだよね…と改めて感じます。

マニキュア除光液による中毒(日児誌2008年12月号掲載)

母親がマニキュアの除光液を室内で使用していた際に、そばで寝ていた乳児が中毒症状(嘔吐・意識障害)を起こしたという実例です。

2008年の話なので、そんな昔の話でもありませんね。

有機溶剤は「空気よりも重い」

ここまでちょっとごちゃごちゃした理系向けの内容を書いてきましたが、この記事を読んでこれだけは覚えておいてほしいな…と思うことは「気化した有機溶剤は空気よりも重い」ということです。

 

もう一度言うと、「気化した有機溶剤は空気より重い」んです。

 

何が言いたいかというと、例えば「軽く窓開けといたらシンナー臭しなくなった、大丈夫だ」と思うのは危険だよということです。

足元にはまだ気化したシンナーが充満している可能性もあるので、繰り返しになりますが換気は十分に行うこと、またさらに言えば、気密性の高い建物(マンションなど)は特に注意が必要だということは念押しさせてください。

有機溶剤に関する事故の多くは、密閉された空間や、外気の取り入れ口が高い位置にしかない地下や個室などで発生しているのです…

▲事故防止啓発DVD「有機溶剤中毒にならないために」より

薬品類を使用する際の基本事項まとめ

長くなりましたが、釣り関連のDIYをするには、どうしたって薬品類の使用を伴います。

しかし知識を持たずに扱うと、知らず知らずのうちに自分自身だけでなく、家族などにも良くない健康影響を与えている可能性も…

なので、正しい知識を持って扱うことが大切です。

具体的に薬品を使用する際に注意すべき点を以下にまとめます。

  • 十分換気可能な場所で作業する
  • 不用な接触、吸引を避けるために手袋やマスクを装着する
  • 使用していないときは必ずフタを締める
  • 薬品が付着したティッシュや布は放置しない

有機溶剤などを扱う際の基本事項ですが、あまり意識してない人もいるのでは…?

お節介記事となりましたが、「そうか、ちょっと気を付けよう」と少しでも思っていただければ嬉しいところです。

以上、安全なDIYライフのススメでした( ..)φ!!

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