【折れたロッドの直し方】予算3,000円、自分でできるロッド修理

最終更新日:2020年10月6日

ショック過ぎて中々ネタにできなかったのですが、実は今年のGW中に大切なロッドを1本折ってしまったのでした。

購入から1年以上経っていたので保証も切れてる・・・ということで、今回は思い切って自分でロッド修理に挑戦してみました!

大切なロッドを折って悲しんでいる何処かにいる貴方へ、参考になればとブログネタにさせていただきます!(血涙)

大切なロッドが折れた!その原因は…

はい、毎度お馴染み貧乏暇なしアングラーのみかんです。

当ブログの読者様なら良くご存じかと思いますが、貧乏人のくせに私が愛用しているのはエクストリーム社のTulalaロッドたち・・・

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まぁ釣り道具なんて上を見たらキリがないわけですが、これらの竿たち、どこで買ってもウン万円はしますから、そこそこ高級な部類に入るかと思います…

 

そんな大切なロッドを折ったという馬鹿者は…えぇワタシです。(血涙)

 

原因は至って単純。

 

車のドアに挟みました…( ;∀;)

 

いや、そんなイージーミス、ありえんわ…と呆れられそうなので、少し弁解させていただくと…

GWのキャンプ帰り、長男が「キャンプ場で魚釣れなかったから、釣りに行きたい!」と騒ぐもんだから、仕方なく柴山沼へ寄り道することに。

一通り、散歩やら釣りの真似事やらをして満足し、さぁ帰ろか~というところで事件が…

自分は先に車へ着き、ロッド【Tulala グリッサンド56】を立て掛けてちょっと運転席をガサゴソ整理…

そこへ子どもが来て、勝手に助手席のドアを開けて乗り込もうとするもんだから、ヘタするとドアが隣の車に接触する!(汗)という状況になり、とっさに助手席側へ駆け寄ろうとした…そのとき!!

強風が吹いて運転席のドアがバタン!と締まり、同時に「バキッ」と超嫌な音が響き渡る…

えぇ、自分が車にロッドを立て掛けたのはもちろんアカンけれども、子どもの行動・タイミング、そして「風」…ショックと色々悔やむばかりで絶句…

嫁は少し離れたところにいたので、ロッドが折れたことに気が付いていませんでした。

 

折角の楽しい(?)ファミリーキャンプの帰り道だし、ロッドの値段も値段だしなので、もうその場では何も言えなかったよね…( ;∀;)爆

メーカー取り寄せ?ロッド修理専門店?はたまたDIY?

というわけで後悔しても取り返しはつかない…ということで、その後、冷静になって対応方法について考えてみました。

対応方法としては以下の3つがパッと浮かびます。

  1. ブランクパーツをメーカー取り寄せ
  2. ロッド修理専門店による修理
  3. 自分で修理

↑折ったグリッサンド56はグリップ着脱式なので、ブランクパーツのみメーカー取り寄せ可能

そしてメリット・デメリット、そしてコストについて考えてみると…

対応方法 メリット・デメリット コスト
①メーカー取り寄せ ブランクパーツ新品になるわけなので当然間違いない、しかしもう普通に新品買ったらいいんじゃないのってくらい高い。 35000円
②ロッド修理専門店で修理 プロ修理なら品質的に間違いないかもしれないが、「折れたものを直したもの」には変わりない。修理代は1~2万は普通にかかると予想されるので、そこまで金かけるか? 1~2万代くらいが相場?
③自分で修理 ちゃんと修理できるか謎、最悪使ってて折れるかも。でも最安。 数千円

※ブランクパーツ価格はメーカー問い合わせして聞きました。

・・・といった感じ。

ぶっちゃけ①だったらグリップパーツ含め中古で購入した方が安い…ので今回は却下。

②のコストは見積次第という感じみたいだが、そこそこのお金をかけて、折れたものを使い続けるってなんかな…

ということで、まぁ冒頭で書いた通りなんですが、今回は自分で折れた竿の修理に挑戦することに決定!

折れたロッドを自分で直す2つの方法

で、色々と情報収集をしてみるわけですが、修理の方法は折れた場所により異なりますね。

ティップの先端が折れた場合

これはまぁよくあるやつ、そして簡単なやつですね。

竿先が折れた場合にはそのまま寸詰めして使ってしまうというもの。

当然ティップの曲がりやレングスに影響がある修理方法ですが、竿先数センチで折れた!という場合には素人ではこの方法くらいしかないかと思われます。

ちょうど先日、親父から「秋くらいからバス釣りやるからロッド直しておいて(他力本願)」と依頼されたのですが、まさにコレがその状態でした。

というわけで径の合うトップガイドを買ってきてエポキシ接着剤でペタっ、で完了\(^o^)/

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※一応このあと、下手くそだけどスレッド巻き&エポキシコーティングもしてあげましたよ。笑

しかし、自分が折った方のロッドは第3ガイド下で折れたので、無論、この方法は使用できませんね…

第2ガイドよりも下で折れた場合

で、こちらが本命の方法なわけですが、はじめに言っておくと、以降に紹介する方法はフルソリッドのロッドでは不可能で、チューブラータイプ(中空状のブランク)にしか採れない方法なので注意してください。

具体的な方法を説明すると、まぁ簡単に言えば「芯を入れて繋いでしまう」というものです。

図の通り、ソリッドカーボンを芯に入れて、接着。

そしてその後、上からスレッドを巻いてエポキシコートし、完成!…という感じ。

 

・・・うん、なんかイケる気がしてきた!!!笑

 

というわけで、早速修理に必要な材料を集めるぞ!

ロッド修理に用意したもの

修理に用意したものは、以下の4つです。

  • ソリッドカーボンブランク(最寄りのキャスティングで調達):900円程
  • スレッド(最寄りのキャスティングで調達):400円程
  • エポキシコーティング剤(アマゾンで調達):1600円程
  • エポキシ接着剤(ダイソーで調達):100円
  • ナイロン製平筆(ダイソーで調達):100円

こう見ると何だかイージーな印象を受けるんですが、修理方法から材料調達まで、色々調べて結構な時間を費やしておりますよ…汗

まぁブロガーなんて人柱になってナンボですから…でも一応伝えておきたいこのキモチ!!

折れたロッドの修理作業を解説します

では、実際に行った修理について、順を追って説明していきたいと思います。

1.ソリッドブランクで芯を作る

まず、折れた部分に用意したソリッドブランクを差し込み、芯として活用する部分を切り出します。

▲用意したソリッドカーボンティップ
▲折れたロッド(グリップ側)にソリッドカーボンを差し込んで、内径が合う部分を見つけます。
▲マスキングテープで目印を付けておき、折れた部分の内径に合う部分を切り出しました。

長さとしては、パックロッドなどの継ぎ目を参考にすれば、折れた断面からおおよそ前後3、4センチ程取れば十分かと思います。

しかし今回はちょっと短く、折れた断面からティップ方向におおよそ1cm程、グリップ方向におおよそ4cm程を芯として入れることになりました。(理由は後述します)

2.折れた断面を整え、スレッドを巻く

次に折れた面を金属ヤスリで整えます。

ここが激しいササクレ状態になってしまっていると、また修理に難航するんでしょうが、今回は幸運にも割とスパッと折れているので(いや折れてる時点で全然幸運じゃないんだけどさ)、軽く削るだけで事足りました。

次に折れて2分割されたロッドのそれぞれに、1cm弱程度の幅でスレッドを巻きました。

これは、次の工程で芯となるソリッドブランクを差し込むときに、チューブラーブランク(ロッド側)が割れたりすることを防ぐために行ったものです。

3.芯を入れて折れたロッドを継ぐ

1.で切り出したソリッドブランクを芯として、2液性エポキシ接着剤で接着して、折れたロッドを継ぎます。

▲イメージはこんな感じ。
▲色々ありスレッドが汚い事になっておりますがそこはツッコマナイデ…
▲順序としては、まず芯をグリップ側に差し込み接着して硬化させ、次にティップ側を差し込んで接着させるよう流れです。

このとき、ガイド位置は慎重にきっちり合わせてください。(硬化したらもう修正が効きません)

また、この接着については、肉やせしてしまう接着剤(1液性の接着剤全て)は絶対にNGなので、必ず2液性エポキシ接着剤を使用しましょう!

4.仕上げのスレッドを巻く

エポキシ接着が硬化したら、折れた部分前後のブランク表面を目の細かい耐水ペーパーで軽く整えてみます。

そしてさらに折れて2分割されたロッドを、1本のスレッドで覆うように巻きます。

恐らく、普通にソリッドカーボン芯の長さを十分に取れていれば、こんなにもガチガチにスレッドを巻く必要はない(?)と思われるのですが、色々失敗を経て最終的にはこの形をとることとしました。

5.エポキシ接着剤でスレッドをコーティングする

最後はエポキシコーティング剤でスレッドをコーティング(薄塗りで計3回)したら完成です(‘ω’)

ここでエポキシについて触れますと、ソリッドブランク(芯)でロッドを継ぐ部分はダイソー製のエポキシ接着剤を、最終的なスレッドのコーティングには専用のジャストエース製のエポキシコーティング剤を使用しました。

当初、「最後のトップコーティングもダイソーエポキシでええやろ」なんて思っていて、実際それも試したのですが、結果はアウトでした。

理由としては、硬化後、ブランクを曲げてみたところ、見事にクラックが入ってしまったからです。(おそらくエポキシ自体に弾性がなさすぎるため)

硬化時間が長く、粘度が低いジャストエース製のエポキシコートを使用することで、作業の難易度は上がりますが、今回は薄塗りを3回する程度のコーティングだけでしたので、素人でも平筆1本で何とかそれっぽく塗れました。

もちろんロッドビルディングモーター(エポキシが固まるまでロッドをクルクル回し続ける機械)があれば万全の体制なんでしょうが、流石に今回のためだけには買えませんでした(^_^;)

で、あーだこーだ言っている間に硬化して完成だよ\(^o^)/

実使用テストで耐久性チェック

で!実使用テストの話ですが、このロッドを折って直したのが5月中旬。

以降、結構な数のバスを釣ってきていますが、今のところ特に問題なく、大丈夫ですね…

流石に↑このクラスの魚を掛けているときは、「まじで折れないかしら…汗」とかなり不安だったんですが、いやぁ大丈夫なもんですね。笑

そりゃ新品と比較すれば見た目はアレだし、曲がりも美しくないかもしれないけれど、3,000円で4万の竿を捨てずに済んだことを考えれば、万歳かな・・・と\(^o^)/

芯を短くせざるを得なかった理由

実際にこの記事を誰かが参考にすることを踏まえ、もう少し突っ込んだ話をしておきます。

先に言った「芯にするソリッドカーボンブランクが短くせざるを得なかった理由」については、実はこのグリッサンド56、ソリッドティップだったのです…

そう、つまり折れた点があと1、2cmティップ側だったらもうこの方法で直すのは不可能だったわけですよ。汗

「なんて幸運だったんだ!(いや折れてる時点で全然幸運じゃないんだけど)」と、思わず言ってしまいそうになりますが、実際は結構微妙な位置で…今回、自分が直したロッドに関しては、ティップ側の芯はやはり長さが不十分だと思います。

それ故、当初考えた方法:「ソリッドカーボンを芯にして継いで、その上からスレッド1回巻いてダイソーエポキシで固めてハイ終了」というやり方では、かなり危険な感じでした。

▲エポキシについてのとこでも書きましたが、ちょうど折れている部分でコーティングが破断しています。

そんなこんなで説明した修理方法に行きついた感じだったので、多少はトライ&エラーの末にたどり着いたやり方です…誰かの何かの参考になれば幸いであります(ToT)/

まとめ

折れたチューブラーロッドにソリッドカーボンブランクを芯に入れて、継いでしまうというロッド修理の解説でした。

お金で解決するのは確かに楽で間違いがない、でも自分で色々手を動かすことで道具への理解が深まることも多いですよね(’ω’)

今回多少竿をいじいじした経験から、アレ?なんか自作ロッドとか、既存ロッドの魔改造みたいな未来がチラっと見えたような?笑

兎にも角にも愛竿がもう一度使える状態に直せたのは本当に良かったよ…お疲れ様でした!

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追記:ソリッドティップ化の手法で再度修復

この記事を執筆してから1年程経過したところで、継いだ部分のソリッドカーボンが折れてしまい、再び折れ竿に戻ってしまいました。

今度こそこの竿もおしまいか…と思っていたところでしたが、「ソリッドティップ化」の手法で再び修復することができました。(諦め悪すぎ。笑)

折れ竿を再生する手法として「ソリッドティップ化」も有効な手段です。

ロッドをソリッドティップ化する方法

この手法ができるのはチューブラー(中空)ロッドに限られますが、多くのロッドはチューブラーブランクなので、折れ竿再生計画を考えている方はこのような手法も検討してみてはいかがでしょうか。

詳細は下記ページにまとめています↓(^^)/

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