ルアービルディングの世界へ飛び込むために、乗り越えなければならないハードルをぐっと下げる、「充電式コンプレッサー一体型エアブラシ」をレビューします。
ルアービルディングへの障壁
こんにちは、最近はもっぱら自作ハネモノと自作クランクベイトの製作で寝不足続きのみかんです。
突然ですが、自作ルアーを製作するにあたり、一番の障壁となることってなんでしょう?
昨今3Dプリンターでのルアー製作なんかも台頭してきていますが、ハンドメイドルアーの定番といえば木材をボディベースとしたウッドルアーです。
アイデアとやる気があればいつだって始めることができます。それこそ材料なんて100均でも揃う時代ですから…
専用設備と専用塗料を使い、秘密の工法でこだわりのハンドメイドクランクを作る…ということは素人では中々できることではありません。汗 というわけで今回は、「ほとんどのアイテムを100均で揃え、それらだけでどこまでのルアーを作れるのか挑戦し[…]
しかし、本格的なルアーを作りたい!と思ったとき、必要になるのはやはり塗装設備ではないでしょうか?
具体的には…
- エアブラシとコンプレッサー
- 局所排気装置付き塗装ブース
これらの設備ですよね。
プラモデルやミニ四駆なんかやっていた男子はエアブラシ+コンプレッサーが欲しいなぁと一度くらいは思ったことあるんじゃないかなと思いますが、当然ながら部屋の中でシンナーを吹きまくったらあっという間に中毒状態になって病院搬送です。(え?そうなの?と思った人は【この記事】を読んでね…汗)
なので塗装ブースもセットとなるわけですが、こうなってくると、トータルで…5万超えくらい?
とはいえエアブラシで塗料が吹けないとなると、施せる塗装方法には色々制限が出てきてしまいます。
…しかし、5万超えという初期投資をする勇気ある者はどれほどいるのかという話になります。
そして我が家だったらお金云々以上に、子どもと嫁が寝静まったあとに、夜な夜なコンプレッサー回しながら塗装なんか始めた日にはどうなるか…って話もあります(^_^;)
初期投資にそこまでかけられない…のであれば…
というわけで、そんなところに現れた救世主がコレですよ。
2018年頃からチラホラAmazonに登場し始めた【充電式コンプレッサー一体型エアブラシ 】です。
製造元としてはまぁチャイナさんですよね。
アマゾンで見ていくと類似品が色々とあるのですが、名前や見た目が違くてもどれも基本的には同じような感じの仕様になっています。
スペックとしては以下の通りです。(※ものによって多少違いはあり)
ハンドピース | ダブルアクション、口径0.4mm |
重量 | 約300g |
連続運転時間 | 約30分間 |
最高出力 | 0.12MPa(らしい) |
電源 | 内臓バッテリー(USBケーブルによる充電) |
販売価格 | 5,000~7,000円程度 |
特徴としては、なんといってもコンプレッサーを別途用意しなくて良いということ、そして充電式でコードレスのためどこでも作業できるということでしょう。
人によっては「連続運転が30分間」というのが気になるところでしょうが、これについて詳細を後述します。
ちなみに充電時間は1時間でMAXまで充電されるとのこと。
あとはコンプレッサーとしての出力は、ネットで情報を集めてみると、最大出力としては一般的なコンプレッサーにも劣っていない…らしい。
プラモデル界隈なんかで良く使われているMr.リニアコンプレッサーL5と比較すると、最大出力としては同等らしいんですよね(^_^;)
当然ながら定格出力の部分で差があるのかもしれませんが、兎にも角にも実使用の部分で不満がなければ、入門者にするとこのコンパクトさに簡易さ、最高ではないでしょうか…?
充電式コンプレッサー一体型エアブラシ外観&
さて、机上論はこれくらいにしておいて、ココから現物についてレビューしていきます。
まずはAmazonでポチり、からの開封。
内容は以下の通りです。
- ハンドピース(ダブルアクション式)
- 塗料カップ(大)、(小)
- 充電式小型コンプレッサー
- USBケーブル
- ナットやレンチ、スポイト等の小物
- 日本語がややおかしめな説明書
コンプレッサーはUSBケーブルで接続して充電する形ですが、アダプターは入っていません。
なのでiPhoneのアダプターと接続して充電しました。(まぁこのご時世、USBアダプターくらい家のどっかしらにあるでしょうから問題ないでしょう)
1時間で充電完了、早速コンプレッサーオン。
凄い…本当に空気が出ている。汗
次にハンドピースを接続します。
接続した状態での重さは320g程。
作業していて重いと感じるような重さではないと感じます。
ここで1つ補足すると、充電式エアブラシのレビューをググると、上位に出てくるのは「シングルアクションタイプ」のものが多いです。
どうやら販売当初に出回っていたのは、ハンドピースがシングルアクションがほとんど(?)だった模様…
今回購入しているのはダブルアクションですので、バルブ開閉もニードルも指一本で操作できます。
動画の通り、エアブラシ上部のボタンを押せばエアが出て、後ろに倒すとニードル(塗料の吐出量を調節している針)が引っ込んでいき、塗料の吐出量が増えていくという仕組みです。
充電式エアブラシで試し吹き
とりあえず使い方や機能は理解した。
ということでまずは試し吹き。
プラモデル界隈ではど定番のMr.カラーと希釈液を買ってきました。
そして塗料を希釈、いざ吹き付け!
分かりやすいようにブラック系の塗料を白い紙に吹いてみました。
一言で表せば「十分な機能」。
おぉ、普通にエアブラシとして使えるじゃん…となりました。笑
ただコンプレッサー自体の出力を調節できるわけではないので、そこはちゃんとしたコンプレッサーとの大きな違いでしょうか。
それでも、ハンドピースでエア流量と塗料の吐出量を調節できることは、ガンダムマーカーエアブラシのようなペンタイプの簡易エアブラシでは出来ないことなので、より細かな塗装が施せますね。
充電式エアブラシで実際にルアーを塗装する
というわけで早速、用意したルアーブランクを充電式エアブラシを使って塗ってみました。
全てをこのエアブラシで塗ったわけではありませんが、細かい部分やトップコート(2液ウレタン)などに使用してみたところ…
あれ?
これまでと段違いに良くなってる…と。笑
どういった手順でどう塗ったかまでは説明しませんが、これ、使い方次第では相当良いところまでイケるんじゃないかなと…
もちろん本気の有名ビルダーさんたちと比較したら雲泥の差ではありますが、某ビルダーさんのお言葉を借りると、【道具は所詮道具なので、技量次第でいかようにもなる】とのことですから…
一先ず入門者用の充電式エアブラシで修業を積んでから徐々にステップアップする…全然「あり」な選択肢じゃないでしょうか?
入門者には運転時間は十分
スペックの部分で書いた運転時間についてですが、購入する際に一番気になったのはこの「運転時間30分」という部分でした。
しかし実際に使ってみて感じたのは「30分てアマチュアのルアー製作には全然十分だな…」ということです。
塗装ってもちろん乾燥工程も要所要所で必要なので、一気に全部できるわけじゃないし、スイッチの入り切りをちゃんとすれば充電を使い切ることはまずありません。
感覚としては10個のクランクベイトをトップコートするくらいの作業であれば、余裕ですね…
ちなみに結構な時間コンプレッサーのスイッチを入れ続けてても、コンプレッサーからの発熱もほとんど感じられませんでした。
購入する場合は「何を吹き付けたいか」をよく考えてからにしよう
充電式エアブラシの存在を知ったとき、「何これヤバイ!」と思って自分はすぐに飛びついたのですが、もしもこの記事をみて購入検討しようと思った方に一応アドバイス…
もしも初めてエアブラシを購入するのであれば、「何を吹き付けたいか」をよく考えてから購入した方が良いです。
先程書いたように、エアブラシは塗料を吹き付ける道具にすぎません。
それこそどこにでも売ってる缶スプレーでもやろうと思えば、同じようなことができるわけです…
でもエアブラシなら圧倒的に細かい作業や色の濃淡など微調整が効くし、エアブラシを使わなければ上手く吹けない塗料やコーティング剤があるのも事実です。
典型的なのは2液ウレタンのような2種類の液体を混合して硬化するまでに吹き付けを行うような塗料(コーティング剤)ですよね。
ちなみに2液ウレタンの缶スプレータイプも世の中には存在しますが、24時間使い切りとかなのでめちゃめちゃ高く付きます。笑
というわけで、缶スプレーやペンタイプの簡易エアブラシでやるような塗装よりも、より強くてしっかり塗装できる塗料を吹きたい、またはもっと細かい塗装を施したい…など、目的をはっきりさせてから購入することをオススメします。
充電式エアブラシ レビューまとめ
レビューをまとめますと…
- 散見するレビューはシングルアクションが多いので要注意、後発でダブルアクションが出ている。
- 入門者にとっては必要十分な機能満たしている。
- 塗装ブースがなくてもコードレスなためベランダなどの屋外使用もできる。
- 連続運転30分は、電源オンオフこまめにやればルアー塗装くらいの作業なら十分。
こんなところでしょうか。
本格的にルアー塗装を始めてみたいと思った方の入門機としては十分なクオリティでした!
引き続き使用していく中で何か気づいた点があれば都度追記していきますので、一先ずはこの辺で/(^o^)\
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