【ハンドメイドルアー】ツインブレードクローラーの全て

自作クローラーベイトである「ツインブレードクローラー(略称TBC)」ですが、作り始めて早一年半程…

なんだかんだ結構な人数の方に渡っているような気がします。

そのため、一旦ツインブレードクローラーのコンセプトや使用方法、欠点を含めた特徴、チューンなどについてまとめます。

これを読めば、もうご自身でも作れてしまうかも(?)しれません。笑

はじめに

ツインブレードクローラーについて、SNS 等を通じてお問い合わせいただくことが過去にも何度かあるのですが、現在ハンドメイドルアーの製作はあくまで趣味レベルで行っているものであり、販売等は一切行っておりません。

自分が製作したルアーを過去に提供させていただいた方からは、材料費・送料含めて一切お金はいただいておりませんし、単純に自分が製作したルアーで遊んでくれる方に対して、こちらから一方的に(苦笑)提供させていただいている形となっています。

この趣旨をご理解いただければと思いますm(__)m

ツインブレードクローラーのコンセプト

ツインブレードクローラーは「小さくても強い」というコンセプトのもと、自分がカヤックフィッシングで使いやすいクローラーベイトを目指して製作したルアーとなります。

オリジナルクローラーベイト「ツインブレードクローラー」

ツインブレードクローラーでの釣果

数年前から流行している「ビッグクローラーベイト」は水面でデカイ個体を選んで釣ることができることが魅力的な釣りですが、自分のスタイルであるカヤックからのアプローチでは、着水音が大きすぎる・引き抵抗が強すぎる・展開がスローすぎる等のミスマッチさを感じていました。

デカ羽根GPで使用しているクローラーベイト

メーカー品ではサイズ感的にもダッジあたりは使いやすいわけですが、やはりどうしても対応速度が狭く、スローに特化しすぎている感が否めませんでした。(食わせ能力が非常に高いのでもちろん自分の一軍ルアーであるますが)

レイドジャパン「ダッジ」での釣果

スキルフルのヤマトクローラーはキャスタビリティの良さとデッドスロー〜早巻きまで対応する懐の深さを持つ衝撃のクローラベイトで、このルアーとの出会いが自作クローラーベイト製作の始まりだったと言っても過言ではありません。

スキルフル「ヤマトクローラー」での釣果

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ただ、ヤマクロのデッドスロー〜スロー使いというのは自分の中だとかなり「弱い」部類に入るもので、もう少し魚を引っ張る強さが欲しいと感じるシーンもありました。

そこで 1ozクラスでキャスタビリティが良く、デッド〜レギュラーリトリーブくらいまでの速度は対応できる「小さくて強いクローラーベイト」を模索した結果がコレでした。

リアに装着したツインブレード

リアに装着したツインブレード。

アピール増の効果だけでなくスタビライザーの役割をするため、約80mm という短いボディにロングアルミウイングを装着しても、レギュラーリトリーブくらいであれば全くアクションは破綻しません。(というかもはや回収スピードでも普通にクロールアクションします)

 

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そんなわけでスペック的な部分をまとめると以下の通りになります。

全長 約80mm
重量 1.1ozクラス(30g前後)
フックサイズ #2
ウイング アルミ製ロングウイング

 

ツインブレードの詳細

最大の特徴であるツインブレードについて詳細です。

まず使用しているのはザップのツインブレード、これ一択です。

ザップのツインブレードが最高

ZAPPU(ザップ) ツインブレード シルバー

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当然ながら、使い方がスローである程、ブレードの回転はルアーの進路に影響を及ぼします。

なので、2枚のリアブレードが同じ方向に回転するのは避けるべきですよね。

ザップのツインブレードは見ての通りブレードの先端にひねりが入っていて、回転方向がそれぞれ逆向きになっているわけです。

ちなみに自分はブレードの先端が「ハの字」状にリグっています。深い意味があるわけではないのですが、最初に釣れたのがこの取り付け方だったので、そのまま現在も継続しているという感じです。

ツインブレードのリグり方

このツインブレードの取り付けにはベビーヒートン(日本の部品屋製)を使用し、ボディの凹みにこれを収めています。

ブレードはもちろんリトリーブで回転し、バスへアピールしますが、デッドスローだと回転するまでには至らなく、ふらふらとゆらめくような状態になります。

「これでいいのか?ブレードだから回転してナンボだろ」と思う人もいるかもしれませんが、これはこれでいいと自分は考えています。

回転せずとも水中に2つのブレードがゆらゆら漂っているだけでもかなりの存在感増でしょうから…

というわけでアピールを増強しスタビライザーの役割もしてくれる、いいことづくしのツインブレード!!

…と言いたいところですが、これが最大の弱点というか、欠点でもあります。

理由はこれ。

ツインブレードのデメリット

フロントフックとの絡みです。ブレードの穴、またはブレードとスイベルを繋ぐスプリットリングにフロントフックが入り込んでしまうことがありました。

短いボディに色々なものを詰め込んでいる分、リグ位置やフックセッティングについてはかなり悩まされたわけでして…

もちろん単純にフロントフックとブレード絡みを無くしたいのであれば、やることは明確です。

フロントフックをスプリットリングなしのヒートン直結にするか、フロントヒートンをもっと前に移せば解決します。

ただこれではもちろん、フッキング性能の低下や、今度はフロントフックとのライン絡みなどの問題が生じます(^_^;)

なので、最後はフッキング性を最重視した上で、総合的にみて良い按配のところをとって決めたという感じです。

しかし、良いポイントを神キャストで射抜いたのに、ブレードとフックが絡まって…というのは言うまでもなく最低最悪です…

所有者の方でブレードとフックとの絡みが気になる場合は、以下のチューンを推奨します。

  1. スイベルとブレードの間にあるスプリットリングに圧縮チューブを被せる。
  2. ブレードの穴を薄い金属板などを張り付けて極力小さくしてしまう。

2020年に入ってから製作しているものについては、スプリットリングに圧縮チューブを取り付けた形で提供していますので、①はすでに施された状態となっています。

ブレードの穴については現在検証中なのですが、これに効果があれば、フックとブレードの絡みリスクはかなり低くなると思われます。

この辺のチューニングはブレードの自由度を若干犠牲にすることになるので、好みがわかれるとは思います。

ブレードの自由度を犠牲にせずフック絡みを減らしたい場合には、フロントフックヒートンをヘッド側に傾ける・フックをワンサイズ落とすなどのチューニングをしてください。

クローラーベイトのチューニング方法
▲ヒートンを前方向に少し傾けるだけでも、ブレードとの距離を広げられます。

※なお、純正フックはカマキリショートトレブル#2になっています。

ボディの詳細

ブレードの話で相当長くなってしまったので、あとはサクサクいきます。笑

ボディはウッド製で、多少電動工具は使っていますが、丸材からほぼ素手での削り出ししています。

ハンドメイドルアーを削りだす
▲ウエイト仕込み・ベースコート・サフ吹きが終わった状態のボディ(黒豆感)

木材の種類などは一応秘密ですが、一般的にルアー製作によく使われるものです。

ボディのテール側にはタングステンウェイトが入っています。

恐らくこの効果もあって、キャスタビリティの良さはユーザーさんからは結構褒められます。

自分で使っていても、ダッジやオリジナルアベンタあたりと比べたら相当投げやすいなと自負していたりして(^_^;)

特に自分の場合、カヤックでビッグクローラーベイトに使用しているのはツララモレーナ53という超ショートロッドですし、しかもそれを床に座った状態で投げるみたいな形です。

7ftロッドでおかっぱりから投げるなら問題なくても、カヤックでうまくキャストできないルアーは1軍になりません。

そんなわけで、キャスタビリティについては結構重視した設計になっています。

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リグ位置・フックの詳細

ブレード話のところで結構書いてしましましたが、リク位置とフックセッティングについては相当脳まされました。

短いボディに色々詰め込み過きなんですよね。笑

しかしボディを長くするとアクションの質は大きく変わってしまうので、この短太ボディが早めのピッチで動くことにこだわりたかったのです…

というわけでボディをそのままに、フッキング性能を重視したら結果こうなった…という感じです。

ツインブレードクローラーのリグ位置について

ちなみにリアフックは当初後方ボディの先端からヒートンを出していましたが、おじゃがの達人バスキチさんのショートバイト対策などを参考に、お腹側にヒートンをセットする形となりました。

ツインブレードクローラーのフッキング率向上

フッキング性能はこれにより明らかに上がりましたよ…バスキチさん本当に流石すぎでした。汗

アルミウイングとアイの詳細

最後はアルミウイングとアイの話。ウイングについてはビッグクローラーベイトで昔からよく使われるコーモランのロングアルミウイングを採用しています。(ブラックはキャスティングのオリカラ)

ツインブレードクローラーのアルミウイング

理由は単純に、入手のしやすさです。

これを少し手曲げしたり、バリ取りしたりして装着します。

この手のアルミウイングはクローラーベイト使っている方々なら知っているとおり、バリが削れてくると動きが良くなるので、最初からリューターなどを使ってある程度バリ取りをしてしまいます。

また、ウイングを取り付けるためのビス・ヒートンについては、付属品は使いません。

ビスに関してはステンレス製のもっと細くて、頭の方はネジが切られていないモノに変えています。

ウイング固定にオススメのビス

このビスは本当にオススメで、ウイングのガタツキがとてもいい感じに出ます。(ホムセンで買えます)

あとはウイングとボディの間に自作のアルミパーツを組み込んでいます。

ツインブレードクローラーのオリジナルパーツ

薄いアルミ板をハサミで切って穴開けてるだけのパーツですが、これによってボディが削れることを防げますし、カチャカチャという音も追加されます。

 

アイについては日本の部品屋製「三層グラスアイ」を使用しています。

ツインブレードクローラーのアイ

最初は見た目の「トップウォーターブラグっぽさ」を出すためでしたが、結果的にはアルミウイングの閉じすぎ防止にも若干効力があるので製作当初から使い続けています。

羽根がとじないようにするチューニング

ちょっと高いのが難点なんですけどねぇ…(^_^;)

まとめ

ツインブレードクローラーに関して、洗いざらいお話ししてみました。

はっきりいって見た目・仕様のとおり、万人受けするようなスペックではないと思います。

ただ好きな人にはわかってもらえるようなルアー…そしてなにより自分が欲していたスペックと使用感ということは間違いありません。

結局自分のような素人が、オリジナルのハンドメイドルアーを作る原動力って「市場では見かけないけどこういうのが自分には必要!」という気持ちなんですよね…

今後はクローラーベイトのみならず、少し前から手を出し始めているクランクベイト等他のカテゴリについても、そういった視点でルアー製作ができたらなぁと思っています\(^o^)/

最後にユーザーのみなさん、いつも釣果報告本当にありがとうございますー!!(そしてこれからもよろしくお願いします♪)

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