購入後から実釣に入れてはカスタムやメンテナンスを繰り返し、また実釣してはカスタムし…そんなことをひたすら繰り返してきたシマノ 18バンタムMGLのタックルインプレッションです。
自分が今までイジリ回してきて&釣ってきて感じてきたことを全て書いていますので、かなり長文となっています。
お時間取らせますがどうぞお許しください。笑
18バンタムMGLのスペック
まずは一応、バンタムMGLがどんなリールなのか?ということから。
形式的になってしまいますが、ここは抑えておかないと先の話ができないのでお許しください…
【SHIMANO 18バンタムMGL スペック表】
ギア比 | 5.5 、6.2 、7.1 、8.1 |
リール重量 | 215~225g(ギア比により異なる) |
スプール径 | φ34mm 幅22mm |
糸巻量 | 16lb-100m |
価格(実売価格) | ¥39,000(¥27,000程度) |
実売価格で見ると、いわゆる「フラッグシップモデル」よりはだいぶお求めやすい価格となっているバンタムMGLですが、発売前は「あのバンタムの復刻!?フルメタルボディ!?」と騒がれていたのはまだ記憶に新しいところです。
実際に発売され、ユーザーさんからアレコレ意見が出切った頃の2018年12月に自分は購入し、今に至っています。
18バンタムMGLで特筆したい技術特性は3つ
バンタムMGLの技術特性で私が特筆しておきたいものは、以下の3つです。
1.コアソリッドボディ
バンタムMGL最大の特徴と言っても過言ではない「コアソリッドボディ」。
このコンセプトの狙いは剛性を高めることであり、レベルワインドガードとパーミング側のサイドボディをメインフレームと一体成型したことにより、画像の通り、通常のボディ構成よりもボディパーツを減らすことが出来ています。

パーツが多いとボディ剛性が落ちる、そしてボディがたわむ…バス釣りで使う程度でそんなことあるんかい?と思う方もいるかもしれませんが、実はあるにはあります。
自分の場合、シマノの最低価格ベイトリール「18バスライズ」で釣りをしていたときに、明確にそれは感じました。汗
誰が何と言おうとカルカッタコンクエスト!カルコンがあれば何もいらんのだよ! 基本いつもそんな調子のみかんさんですが、「なんかガチ釣りじゃなくてちょっとした遊びのときに使うサブ機的なのほし~な~」なんてふと思ったことがありまして… […]
テトラの中から強引に引っ張り出したときだったのですが、「なんかリールがたわんだ…」と(^_^;)
まぁバスライズはオール樹脂ボディなので、極端な例ですけどね。笑
2.φ34mmの深溝MGLスプール
バンタムMGLに採用されているのはバーサタイルなφ34mmのMGLスプールです。
しかしポイントなのは「深溝」であることです。
これについてはバンタムの欠点のところで詳しく触れますが、16LBを100m巻けます!ってそれに喚起するのはごく一部の人だけだよね…と。
せっかくのMGLスプールなのに糸巻量が多くなればその分、実際のスプール重量は増えてしまうため、どうしてこうなったかなぁと。
3.マイクロモジュールギア
シマノの中価格帯以上のリールにはもはや標準仕様となっているマイクロモジュールギア(以下、MMギア)。
バンタムも漏れなく真鍮製MMギアを搭載しているわけですが、当ブログでは何度も話が出てきているように、MMギアと一口に言っても、カルカッタコンクエストや19アンタレスのMMギアと、バンタムMGLなどに搭載されているギアは大きく違います。

簡単に言えば、モジュールが小さい=ギアの歯が細かいということですが、バンタムMGLのギアは比較するとモジュールが大きく、ハイエンドMMギアと非MMギアの中間くらいのモジュール値となっています。
それ故、巻き心地としては19アンタレスやカルカッタコンクエストのようなヌルヌルしたシルキーさというのは感じられません。
但し後述しているように、メンテナンスをしっかりやってあげれば、ノイズを最小限に抑えた十分良い巻き心地は得ることができます。
バンタムMGLの巻き心地を改善するメンテナンス方法については、記事後半をお読みください。
18バンタムMGLの欠点は4つ
次に自分が感じるバンタムMGLの欠点について。
これはもうはっきり書いてしまいます。
1.スプールが深溝すぎる
これについてはすでに触れた通りでして、バス釣りでバーサタイルな使用を想定した場合、完全に深溝すぎると感じています。
MGLスプールの良さは低慣性化による飛距離増やトラブルレス性能ですが、ラインをパンパンに巻いてしまったらMGLスプールのメリットは活かされません。
バンタムMGL発売後、夢屋から浅溝スプール(16LB-80m)がすぐに発売されましたが、何故これが純正スプールとして組み込まれなかったのかいまだに疑問に感じます。(深溝こそ夢屋オプションパーツで良かった)
2.リトリーブ時にノイズが出やすい
コアソリッドボディの副産物として、バンタムMGLはリトリーブ時にノイズが出やすい…これははっきり断言するか悩む部分ではありますが、このように言う他のユーザーさんも多くいるので、書いてしまいます。
バンタムはコアソリッドボディ+気密性の高いダイアルケースという構造により、使い手に対して、ハンドル・ギア・スプールの回転で生じるノイズをダイレクトに伝えてしまうというデメリットが生じていると自分は考えています。
そのため、メンテナンスは正しい方法をしっかりと行っていないと「シャリシャリ」「ゴリゴリ」「ウィンウィン」といった不快的なノイズに悩ませられることとなります。
3.ダイアルケースの取り外しが危険
他のベイトリールには見ない、特徴的なバンタムMGLの剥き出しなダイアルケースですが、SVSユニットのブレーキシューをON⇄OFFするには当然ここを開けなくてはなりません。
ここの開閉…というかダイアルケースの取り外し、現場でやるのって非常に怖いです。
船の上ならまだしも、オカッパリの場合、大抵は水辺に立っている訳ですから、落としてしまったら最後…
スムーズに取り外し出来るならまだしも、バンタムMGLのダイアルケースってOリングが入っていることで中々抜けないんですよね(^_^;)
これについては実釣面で大きなマイナスポイントだと自分は考えています。
4.クラッチレバーが不快適
最後はクラッチレバー。
これも身の回りのSNSで散々話題にしてきたけれど、バンタムMGLの純正クラッチレバーはとにかく不快適…
親指を乗せるポジションが高く、クラッチを切るのにスムーズな動作が出来ないし、切った後も指を置いているところからスプールまで距離があるためにサミングがし辛い…
ここは本当にカスタムを推奨する点になります。
18バンタムMGLを実釣で使ってきた率直な感想
ここまで大半をバンタムMGLに対する不満を書き連ねてきたので、もうネガティブな印象しかないかもしれませんね…苦笑
しかし実釣でバンタムMGLを使ってきて、決して嫌いじゃないんですよ、バンタムMGL…
それ故、もちろんですが手放してなんかもしていません。
その理由は、単純に必要十分な性能をバランスよく有しているからなんですよね。
言うてもしっかり飛ぶし、感度良く巻けて、リール自体の剛性感も凄くある。
いや、でもさぁ・・・
- 19アンタレスと比較したらキャスト性能が低い。
- 16メタニウムMGLと比較したら重い。
- 14カルカッタコンクエストと比較したら巻き心地が悪い。
等々…いやそれはその通りなんだけれど(笑)、それを言い出したらキリがない(^_^;)
実売価格で27,000円前後の価格設定で、これだけの性能を有していれば満足できますし、リール自体のベースがバランス良く、カスタムベースとしてイジリ甲斐があるのもとてもイイところ。
※カスタムについては下に詳しく書いています。
また、以前に書いたように、18バンタムMGLと19SLX MGLを併用するスタイルは非常に気に入っていて、ヘビーバーサタイルはバンタムで、SLXはライトバーサタイルでという使い分けが明確にできるのも個人的に好きな部分であります。
7月に左ハンドルも発売されたことにより、色々と話題になっている19SLX MGL 70/71ですが、自分が以前から所有している18バンタムMGLと併用するリールとして、とても合っているなぁと感じています。 その理由をまとめたいと思いま[…]
18バンタムMGLを快適化するリールカスタム
バンタムMGLはカスタムベースとしてイジリ甲斐のあるリール…そう言っているくらいですから、これまでバンタムMGLに施したカスタムは様々です。笑
それらについては過去に個別で記事にまとめていますので、そちらを見てもらえればと思います。
18バンタムMGLを購入したらまずやりたい基本カスタム
外装(ビスやスタードラグ)やベアリング追加、ハンドル・クラッチ交換についてはコチラ↓
昨年の12月に購入し、ちょっと実釣しては色々いじり回し、また実釣してはいじり回しを繰り返していた18バンタムMGL。 リール自体のインプレをまだ書き上げていない状況ですが、どちらかと言えばこれまでリールカスタムの実験素材として遊んでい[…]
バンタムMGLをベイトフィネス仕様に
バンタムMGLにマイクロキャストスプールを組み込んでベイトフィネス仕様のカスタムについてはコチラ↓
前回記事ではバンタムMGLの欠点を潰すための、オーソドックス(?)なカスタムについてまとめました。 今回は高剛性ボディのバンタムMGLをあえてベイトフィネスカスタムした場合の使用感などについてまとめていきたいと思います('ω') シ[…]
バンタムMGLにマグネットブレーキをON
さらにバンタムMGLにマイクロキャストブレーキ(マグネット仕様)を組み込んでライトプラッキング用カスタムについてはコチラ↓
カスタムリールパーツでお馴染みのアベイル社から、待ちわびていた18バンタムMGL用のマグネットブレーキがついに発売となりました。 早速入手して組み込んだ結果、最高レベルの高剛性ベイトフィネス機が誕生してしまいました… 18バンタムM[…]
バンタムMGLのレベルワインドパイプ交換
バンタムMGLのフルメタルボディをさらにグレードアップさせて、樹脂パーツをほぼ全て取り払うとめちゃくちゃかっこよくなるんです…
ということでレベルワインドパイプのメタル化についてはコチラ↓
最終更新日:2020年2月6日 18バンタムMGLユーザーにオススメしたいカスタムパーツ、アルミ製レベルワインドパイプについて特徴と交換方法をご紹介します。(記事公開後に一部仕様変更がありましたので内容を追記・修正などしました) 1[…]
バンタムMGLで優先的にやっておきたいカスタム
自分はリールカスタムが好きなので色々と手を入れてしまっていますが、個人的に特におすすめしたいのは以下2つのカスタムです。
- クラッチレバーをジュラルミンオフセットクラッチへ
- マイクロキャストスプール+マイクロキャストブレーキ仕様へ
この2つのカスタムについては、使用感が劇的に変わるので本当におすすめします。
もちろんこれらをやるとある程度の額になってしまいますが、替えスプールがあればその時々の用途に合わせてスプールをチョイスできるようになるのは、1台のリールの用途を大きく広げることができるので決して無駄投資ではないと自分は考えます(^^)
※人気のカスタムパーツは後々手放すときでもほとんど値が下がらないしね…(小声)
それこそバンタムMGL1台で、ストロングスタイルなバス釣りから、エリアトラウトまでカバー出来てしまいますから。笑
18バンタムMGLのメンテナンス方法
上でもはっきり言いますが、18バンタムMGLはリトリーブ時にノイズを感じやすいリールとなっています。
ノイズの発生源はベアリングやメインギア周辺が主な原因であるため、そのあたりはしっかりとメンテナンスしておくべきでしょう。
先日、密着性の高いBORED製のグリスを使ってメンテナンスしてみたところ、感触的には良好でした。
これまで「いやもちろんグリス切れとかオイル切れはアウトだけど、どのオイルもグリスもちゃんと使っていればそんな変わらないでしょう…」という考えだったみかんさん。 しかしついに手を出した高級オイル&グリス、その理由は?そしてその効果は? […]
ただ、この部分についてはまだ少し検証の余地があると思っているので、新しいことがわかり次第、追記していきたいと思います!
だって18バンタムMGLが、もしもコンクエストやアンタレス級のヌメヌメシルキー巻き心地になったら…超最高じゃないですか。笑
※ちなみにバンタムMGLは構造がシンプルでとても分解しやすくなっています。個人的にはここも大きなお気に入りポイントだったりします!
インプレッションまとめ
バンタムMGLのインプレをまとめますと…
- バンタムMGLは決して超優等生リールではない
- しかし必要十分な機能を持っているバランスの良いリール
- バンタムMGLはカスタムを施してこそ面白くなるリール
こんなところかと感じます。
色々書いておりますが、実際コンセプトといい外見といい基本性能といい、2台目を購入したいなぁと思っているくらい好きなんですよ、バンタム(^_^;)
ただ、もしかしてもしかすると、2020年モデルでバンタムMGLの亜種(バンタムDCとかバンタムBFSとか。笑)が出るのを密かに期待していたりもしていて…
兎にも角にもバンタムMGL、個人的にはとても面白いリールですので、気になる方の参考になれば幸いです!!