釣友さんから依頼されたバルサ製クランクベイトの補修依頼について、ようやく作業が完了したので記事にまとめます。
ウッド製ハンドメイドルアーの補修について何かの参考になるかも???
大切なハンドメイドクランクが壊れた!
こんにちは、引き続き家にこもってルアーを塗る日々を送っているみかん🍊です。
今回は以前に釣友さんから依頼を受けていたバルサ製クランクベイトの「Leafer-GS(リーファーGS)」の補修について。
補修というよりは「再生」という表現の方がいいかもしれません。
何故なら、いただいた状態がこの通りですので…
・・・はい、もうぐちゃぐちゃですよ。汗
モンキーブレインベイツさんのハンドメイドルアーは超入手困難なので、目を疑う程のプレ値で取引されていて、バルサクランクを愛している人からすると喉から手が出る程ほしい一品かと思います…
が、ガチ系アングラーに酷使されるとこうなってしまうのですね。汗(本来のルアーとしての役割と全力で果たさせていて素晴らしいですが!)

本来はここまで進行する前で手を打つのがベターなのですが、こうなってしまった以上、仕方ありません。
どうにかして再生を試みたいと思います👐
バルサクランク補修計画
というわけでバルサクランクの補修方法を企てます。
上の写真を見てわかるとおり、テール側のヒートン周辺がキャスト時の当て傷によってボディ割れが発生し、それでもなお使い続けて最終的にこうなったという感じです。
テールのフックヒートンはもう曲がっていて使い物になりませんし、ボディもバルサ繊維がグズグズになっているため、パテ埋めどうこう…ってレベルにありません。
なので、作業としては…
- テールヒートンを抜く
- 破壊されているボディを部分的に削り落とす
- バルサを継いでボディを作る
- 自作したステンレスヒートンを入れ直す
- ボディを研磨して元の塗装を剥がす
- 下地コーティング・塗装
…といった流れでやっていきます。
先に言っておくと、モンキーブレインベイツさんの塗装を剥がして、自分のみすぼらしい塗装をするのには非常に抵抗あります…でもこのまま墓場行きの方が可哀そうですからね(^_^;)
塗装についてはアマ中のアマがざっくり塗った程度のレベルですので色々目をつぶっていただければと思います。汗
バルサクランク補修作業
では早速補修作業開始。
まずは既存のステンレスヒートンを取り除きます。
テール側にウエイト等は入っていなかったので、ボディを破壊しながらネジネジヒートンを回転させれば引き抜けます。

ヒートンを取り除いたら破壊されたテール部分をカッターで削り落としていきます。

切った面は軽くヤスリで整えておきます。
次に延長用のバルサを準備。
これについては、自分が製作しているバルサクランクの廃ブランクを活用しました。
面を整えて、時間接着剤で固定し、整形します。
強度的にどうなの?と思われそうですが、このあとここにステンレスヒートンを中通しするわけですから、問題ないと思われます。
ヒートン用の下穴をあけておきます。
ヒートンに対して下穴が小さすぎるとねじ込む過程で割れてしまうこともあるので、余裕を持たせるくらいで良いかと思います。
ヒートンを入れてエポキシ接着しました。
少しゴールが見えてきたかも…?(写真に写っているのがお手本にしている自分のリーファーです)
さらに塗装をサンドペーパーで適度に剥がし、セルロースセメントでボディの下地を作りました。
このあたりはうっかりすっかり作為的に写真なしなのですが、延長したテール部分はしっかりセルロを含浸させ、あとはうっすら全体にセルロ膜を作るようなイメージで行いました。
最後に塗装です。
ラッカー系塗料で塗装したあとに、ウレタン砂吹き、ウレタントップコーティングをして完了…という流れです。
一発では納得する塗装が全然できず、何度か塗り直したりしたんですが(汗)依頼者さんがピンク好きなので、最終的にはピンクバック系に仕上げることにしましたよー👐
完成したリーファーGS
というわけで完成したリーファーGSがこちら…
※絶対にズームしてみないでください、粗さがバレるので。
※素人アマチュアなのでプロの方々と比較しないでください…涙
プロビルダーさんたちが施す難しい塗装は、自分じゃ到底できないので、比較的簡単な色付けにしています…許してください。汗
でも個人的にはピンクの発色がよく、全体的な艶感、目の再現などもそこそこ頑張って出せたので今できることはやれた…かと!!
いやぁ、最後まで緊張する塗装でした。汗
傷は進行しないうちに手を打とう
ウッド製ルアーは作り手のこだわりや魂的なものを感じられるので、長きに渡って愛用する方も多いかと思います。
ですがやはりインジェクションルアーと比較すると、どうしても強度的な面では劣る部分があるかと思います。
ミスキャストで人工物に当ててしまったりすれば結構な確率でダメージを受けてしまうこともあるし、フックサークルも進行すると最終的には内部の木材を露出させてしまうことも…

ルアーのダメージは味とも取れますが、ウッド製のものに関してはそのまま使い続けると浸水して木部を痛めていきますし、ケアしてあげるのが推奨されます。
例えばキャストミスで当て傷ができて、木部が露わになってしまった場合には…
- ルアー使用後、しばらくどこかに吊るして良く乾燥させる。
- 傷部分を接着剤でコーティングする。
という感じです。
接着剤は瞬間接着剤を染み込ませたり、2液性エポキシ接着剤を盛ったり…
色々手法はあるかと思いますが、強度的にはダブル(低粘度の瞬間接着剤を木部に染み込ませて、その上にエポキシ)だと思います。
エポキシ接着剤はダイソー製のものは硬化時間が非常に短いので、手軽に扱えますよ(/・ω・)/
さいごに
破損したバルサクランクの再生・補修方法についてでした。
一先ず完成したルアーは釣友さんへ返却…ではなく、しばらく使わせてもらっても大丈夫かな?笑
クレームがくるまではちょっと自分で使ってみよう…自分が施した塗装とかの強度テストもしていかないとですからねぇ(;・∀・)笑笑
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