充電式エアブラシ vs エア缶+ガンダムマーカーエアブラシ系、入門者はどちらを買うべき?

今回は、以前まで使用していたマーカー系のエアブラシシステム(いわゆるガンダムマーカーエアブラシ的なもの)+エア缶と、最近使い始めた充電式コンプレッサー一体型エアブラシについて、メリット・デメリットなどをまとめつつ、比較した結果を書いていきたいと思います(/・ω・)/

結論、エア缶買うなら充電式エアブラシを

初っ端から結論を書きます。

ルアーペイントを始めようと思って、もしも充電式一体型エアブラシと、ガンダムマーカーエアブラシのようなエア缶接続のエアブラシシステム、どちらかで悩んでいるようであれば、絶対に前者をオススメします。

以前まで自分は、ガンダムマーカーエアブラシと同様、マーカーをセットしたアタッチメントにエア缶と接続して使用する【コピックエアブラッシングシステム】を使っていましたが、充電式エアブラシを購入してからはほとんどこれを使用しなくなってしまいました。

コピックエアブラッシングシステム
▲これがコピックエアブラッシングシステム
ガンダムマーカーエアブラシの使い方
▲ちなみにガンダムマーカーはこんな感じ。ペン先に染み出てくる塗料をエアで吹いてミスト状にして吹き付けるというのは全く一緒の原理です。

もちろん、使うシーンや使い方によっては全然便利な代物であることは間違いありません。

実際、過去に作ったこれら↓のルアーは、缶スプレーやコピックエアブラシを使って仕上げたもので、今見ても「まぁ十分見れる感じに仕上がってるなぁ」なんて思います(^_^;)

しかし充電式エアブラシ導入後は、比較してしまうとデメリットの方が際立ってしまうんです。

次項からその理由を解説していきたいと思います。

マーカーエアブラシ系が充電式エアブラシよりも劣っている点

コピックやガンダムマーカー等のエアブラシシステムが、充電式エアブラシよりも劣っていると感じる点は以下の4点です。

  1. 使用できる塗料が限られる
  2. ランニングコストが高い
  3. 長時間使用が不可能
  4. 仕上がりが大きく劣る

1つずつ解説したいと思います。

使用できる塗料の差

まずは使用できる塗料の差についてですが、充電式エアブラシに関しては、もちろんハンドピースの塗料カップに何でもいれることができるので、塗料だけでなく、セルロースセメントや2液エポキシ、UVレジン等々のコーティング剤も吹き付けすることができます。

一方でマーカー系エアブラシの場合には当然、そのマーカーに使用されている塗料を吹き付けるしかできません。

マーカー系エアブラシでペイントできたとしても、コーティングに関しては別途で市販の缶スプレータイプのコーティング剤を使用するか、ドブ漬けするか、筆塗りするかどうするか…という感じになってきます。

ランニングコストの差

マーカー系エアブラシと充電式エアブラシ、両者を比較してみると初期投資としては確かに充電式エアブラシの方が若干高くつきます。

しかし少し長い目でみていくと、ランニングコストの面ではマーカー系エアブラシシステムの方が実はかなり高くつきます。

まずエア缶に関して…

一見そんな大した値段でないように見えますが、割と大きく感じるエア缶も、使っていくと結構あっという間になくなっていきます。汗

それこそ自分のような一気に作業せずに毎日ちょこちょこ作業する場合だと、なおのことガスのロスが多くなるんです…ちりも積もれば何とかで、これが地味に嫌な出費になる。

また、マーカー系の場合、マーカー(塗料)を揃えるにも結構なお金が必要となります。

塗料を直接吹くタイプでは自分で塗料を混ぜ合わせて調色できるのに対して、マーカータイプの場合はこれができません。

故に、色んなパターンに塗りたいとなると、結構な本数のペンが必要となり、これが気が付くとすぐに数千円ほどの出費につながっていきます。

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一方で、塗料タイプであれば一色100円程度で揃えていけるんですよね。笑

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結果的に、今考えたら最初から充電式エアブラシにしとけば、と思うところも・・・いや、まぁ昔は充電式のエアブラシなんてなかったから選択の余地がなかったんですけどね(^_^;)

使用可能時間の差

レビューに書いたとおり、充電式エアブラシの連続稼働時間は30分間と、ちゃんとしたコンプレッサーを使用している人から見ると短めかもしれません。

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しかし小まめにUSBケーブルへ接続して充電していまえば当然もっと長い時間使い続けられるし、何よりこのハンディコンプレッサー、感覚的には充電度合いが9割くらいまで低下しない限り、圧力低下を起こしません。

一方でエア缶というのは、缶の中に充填された液化ガスを気化させてガスを噴射するという代物なので、ガスを噴射すればするほど、気化熱によってエア缶はキンキンに冷えていきます。

▲気化熱で冷やされて、結露したエア缶

機械の掃除で使うようなエアダスターでも同じ現象をみたことがある方も多いかと思いますが、キンキンに冷えた状態だと、当然気化反応は抑制されますので、ガス圧はどんどん低下していきます。

ものにもよりけりですが、酷いものだと大体数分も噴射しまくれば、あっという間に使い物にならない状態となるため、エア缶が温まるまではしばらく使用できない状態となってしまい、作業に結構な支障が生じます…

仕上がりの差

想像できるかと思いますが、ペン先の塗料を吹き飛ばす方法と、ニードルの動きで塗料の吐出量を微調整しながら吹くのとでは、仕上がりに大きな差が出ます。

上の画像は、ほぼ同じ色味のアルコール系塗料を、左側が充電式エアブラシで、右側はコピックエアブラッシングシステムで、塗装を剥がしたボーン素材のルアーに吹き付けたものです。

画像ではわかりにくいのですが、実物を見ると、右側は粗いミストがまばらに付いていて、仕上がりに大分差があるのがわかります…

以前はペン型エアブラシを普通に使ってきて、そこまで気にしていなかったのですが、比較してしまうとミストの粒が粗く、しかも吹き付け範囲がトリガー操作(エア流量)で変わってしまうのでミスが起きやすいということを考えると、もう中々使おうという気にならないのが正直なところです(^_^;)

初めてのエアブラシ、買うなら一体型でダブルアクション

というわけでこれらを踏まえて、これからルアー塗装を始める方にオススメするのは充電式コンプレッサー一体型エアブラシであり、尚且つハンドピースがダブルアクションのものです。

アマゾンで「充電式エアブラシ」と検索すると、中にはシングルアクションのものも混在してくるので要注意です。

↑これらはちゃんとダブルアクションタイプになっています。

ちなみにですが、エアブラシ関連のものを購入検討していた当初、シングルアクションかつエア缶接続のものを視野に入れていましたが、これは「これから買う人」についてはやめた方がいいです。

恐らく間もなく買い直すことになると思いますよ…(^_^;)

マーカー系エアブラシも実は大きなメリットがある

ここで1つ補足すると、ガンダムマーカーエアブラシやコピックエアブラッシングシステムなど、マーカー系エアブラシにも超大きなメリットはあります。

それは「洗いが不要なこと」です。

塗料カップに塗料を注いで使用するハンドピースだと、当然ながら色を変える度に、カップはハンドピースの中を洗浄しなくてはなりません。

▲きったない感じですみません…汗

洗いの方法はいわゆる「うがい洗い」などをさっとやればいいだけなので、そこまで大変な作業というわけではないですが、例えば一個のルアーを色んな色を使って塗りたいとなれば、当然結構面倒です(^_^;)

「エアブラシ うがい」でググれば、すぐにどんなものかわかるかと思います。

一方でペンタイプのものならばペンを差し替えるだけで色を変更できるわけですから、そこはやっぱり大きなメリットかなと思うところです。

アルコール系塗料のマーカーであれば溶剤臭が発生しないので、部屋の中で吹いても全然問題ないというのもいいところですよね👍

まとめ

マーカー型エアブラシシステムと充電式エアブラシの比較についてまとめると…

マーカー系エアブラシ 充電式エアブラシ
コスト 結果的に高くつく 初期投資やや高いが結果的にはコスパ良し
機能・仕上がり エアブラシタイプよりも機能・仕上がりともに劣る 機能は十分・かなりそれらしい仕上がり
お手軽さ 超お手軽 ちょっとだけ使うにはやや面倒な部分もあり

こんなところでしょうか?

といっても、これまでの経験から感じたことを色々書いてみましたが、ルアーのペイント方法なんて自由です。笑

それこそ筆やペンで一個一個ペイントを施していくやり方から、転写シールにリアルプリントしてそのままルアーに張り付けちゃう方法まで様々あります。

自分が作りたいルアーがどんなものかを想像膨らませながら、どんな道具が必要でどんな塗料が必要で…と色々考えていくのは楽しい作業です♪

エアブラシはその一つの選択肢でしかないのでね・・・まぁ何かの参考になれば幸いです\(^o^)/

追記:ガイアノーツのイージーペインターが最近人気らしい

自分が調色した塗料を吹き付けられる「イージーペインター」というものが最近は結構話題なようで、動画見てみてなるほど~でした。

これであれば塗料だけでなく、2液混合硬化系のコーティング剤とかも使えるかも?

もちろんエアブラシのように細かな塗装は厳しいと思いますが、使いようによっては色々と便利そうですね(*’ω’*)

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