初めてのロッドビルディングも製作編に関してはようやく最終回。
いよいよロッドビルディングの鬼門であるガイドスレッドのエポキシコーティングに挑戦です!
これまでのおさらい
はい、ということで早速エポキシを混ぜ混ぜしてコーティングに…
という前に、まずはいつも通り前回までのおさらいから。笑
前回記事までで、ガイドのスレッド巻きを完了したのち、ロッドブランクのバッド部分に印籠芯を接続することでグリップジョイント式ロッドにする(フェルール化)というところまで進んでいたかと思います。
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ここまでくれば、あとはガイドスレッドをエポキコーティングすれば完了!エポキシを塗りたくるだけの簡単なお仕事♪
…と言いたいところなのですが、ロッドビルディングに挑戦した多くの人が経験しているように(?)ガイドスレッドのエポキシコーティングはロッドビルディングの鬼門と言える作業です…
この作業でこれまでの作業が水の泡となるのか否か、ラスボス的な工程といえるでしょう!
※まぁ失敗したらスレッド巻きからやり直せばいいだけなんですがね。
エポキシコーティングに必要なもの
まずはエポキシコーティングに必要なものをまとめてみました。
▲準備したのはエポキシコーティング剤、エポキシ用うすめ液、ナイロン製の平筆、攪拌用のヘラ、ドライヤー、アルコールティッシュ、フィニッシングモーターなど。
フィニッシングモーターは以前記事にまとめたように 2,000円ちょっとで自作したものを使用します。
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エポキシコーティング剤はジャストエースさんの JEC-40を準備しました。
※ここに関しては次項でちょっと詳細書きます。
うすめ液はエポキシ自体を薄めるためではなく、筆の洗浄やはみ出たエポキシをふき取るときなどに使います。
ナイロン製の平筆はホームセンターで売っていた耐薬性のあるもの(1本400円ほどだったかと思います)。
ドライヤーはエポキシを温めて粘度を調整する際に使用しました。(家に唯一あるのが嫁さん用のピンクのドライヤーだから画像には極力出したくない…汗)
アルコールティッシュはエポキシ剤が溢れたり手についたりした際に拭き取るため用意しています。アルコール含有率が高いものの方がエポキシ除去しやすいと思われます。
エポキシコーティング剤はどれがイイ?
次にロッドビルディングでよく話題になる(?)エポキシコーティング剤自体の話についてちょっと書きます。
エポキシコーティング剤は各社から様々出ていますが、よく目にするものは以下の6種類あたりでしょうか?
- ジャストエース JEC-40
- ジャストエース JUC-50
- 東邦産業 エポキシ・コート
- ナガシマ エポキシハンドレッドコート
- フレックスコート ハイビルド
- ロッドスミス P/Bロッドフィニッシュ
どれも主剤と硬化剤を混ぜ合わせる2液性のエポキシコーティング剤ですが、硬化時間や粘度、硬化後の硬度や透明度、UV耐性などが様々なようです。(あと価格も1,500〜4,000円程と、結構違います。)
こだわっていくとこのあたりもかなり沼のようなので、十分に注意が必要です…(^_^;)
で、自分が選んだものは、恐らく国内市場では最もポピュラーであろう「ジャストエース JEC-40」です。
値段も手頃で初心者的には手が出しやすいのものですが、ジャストエースさんの解説動画を見ていたところ、JUC-50は低粘度で春~夏向きらしく、JEC-40はやや高粘度で気温が低くなる秋~冬に適しているのだとか。
JUC-50の方が価格的に高いので、単純にJEC-40よりもちょっと高グレード的なものかと勘違いしていたのは内緒です。笑
こんな感じでコーティング剤それぞれについて細かく見ていくと様々違いがあるようなのですが…ぶっちゃけ初心者がアレコレ悩む必要はないかなと思っています。
カケヅカさんも過去に書いているように、そもそも混合比や攪拌、エア抜きなどといった作法が正しく出来ていないと、どのエポキシ剤を使用しても本来の効果・性能は引き出せません。
というわけで、自分としてはまずスタンダードかつ低価格なJEC-40でトライしていき、今後暖かくなってきたらJUC-50に切り替えてみようかなと計画しているところです。
エポキシコーティングに挑戦
さて、いつも通りの長い前置きを終えて、いよいよエポキシコーティングに初挑戦です!(勿体ぶり過ぎ)
…とその前に、まずはジャストエースさんの解説動画でおさらいしておきましょう。(オイッ!)
ジャストエースさんのお手本動画を参考にしつつ、自分が行ったおおまかな流れとしては…
まず一回目のコーティングでスレッドを濡らす程度のエポキシを薄く塗る
→ 硬化後に二回目のコーティングで厚くしっかり塗る
→ 凸凹が出てしまった箇所に関しては軽くやすりをあてて均し、3回目のコーティングで仕上げて完了…
としました。
最初は手がプルプルしたり穂先が揺れて上手く塗れなかったり苦戦しましたが、何度かやっていくうちに左手を添えながらブランクも上手く手の甲と指で揺れを抑えて塗布する…みたいなことが出来るようになりました。
頭で色々考えるよりも、まず実際にやってみると「あぁ、こうすると具合がいいのか」みたいなことがちょっとわかってきます!
完成したガイドスレッド
そんなこんなで完成したスレッドがこちら。
…うん、画像で見る限りではなんか初回にしては上手くいったかな!?
硬化不良なんかも全くみられず、しっかり硬化しています!!
ですが…実際現物を見ると「あぁ…ここがね…なるほどね。汗」みたいな感じにアラが見つかります。笑
ちなみにバッド部分は印籠芯を継いだ部分に補強用スレッドを巻いただけのシンプルな形としました(専門用語でこれを「玉口処理」って呼ぶらしい)。
上手くいったところ、いかなかったところなど色々ありますが、とりあえずこれで実釣できると思うと嬉しいですなぁ!
スレッドコーティングの失敗ポイント
スレッドコーティングを実際にやってみて失敗しがちなポイントだと感じたところと、その対処方法を以下にまとめてみました。
エポキシの硬化不良
配合比誤り、混合不十分が原因なので、正確に計量する、十分すぎるほど攪拌時間をとって完璧に混合させることがポイントになります。
エポキシコーティング剤には大抵、計量シリンジが付属していますが、それに加えて自分は念のためデジタルウエイトスケールでも計量して作業しました。
※ちなみに計量容器として使っているのは100均で買ったアルミ容器です。
エポキシがエア噛みする
混合時にエア噛みさせすぎている、攪拌後にエア抜き時間を十分とっていないことが原因なので、専用ヘラで丁寧に混合攪拌する、攪拌後はエア抜き時間を十分とるなどの対策をします。
それでも抜けきらない場合はドライヤーで温めて粘度を落とすなどの対処をしました。
エポキシが均一に塗れない・はみ出る
一度に厚塗りしすぎていることや、温度コントロールが上手くいっていないことが原因なので、何回かに段階を分けてコーティングしていくことや、エポキシの硬化時間を考慮して作業を組み立てること、ドライヤーなどを使ってうまく温度コントロールすることなどがポイントになってきます。
ちなみに見る人が見たらすぐ分かるかと思いますが、今回は特に玉口処理した部分がかなりイマイチな仕上がりになっています(^_^;)
コーティングも歪だしはみ出すぎだし、何度か手直しをした結果、厚塗りしすぎになってしまっています…ここについては時間あるときに全部剥がして、またスレッド巻きからやり直そうかなぁと考えているところです。汗
自分が難解に感じたこと
自分がやってみて感じた難解ポイントは、やはりわずかに気泡が噛んでしまうこと、エポキシが均一に美しく塗布できないことでした。
粘度がやや高いJEC-40は比較的気泡が抜けにくいと思われるので、かなり注意して作業する必要があるのかもしれません。
またエポキシの筆塗りについては修行あるのみかな…と。
普段からDIYはそこそこやっているので、ガイドスレッドについては普通に見られるくらいのコーティングはできたように自分は思っていますが、なんというかアマだけどプロってる方の仕上がりを見ると全然違います。汗
こればっかりは一回や二回の経験では当然身につかないものなので、今度時間があるときには練習に励みたいと思います(^_^;)
さいごに
初めてのガイドスレッドのエポキシコーティング挑戦記録でした。
初めてやってみた自分なんかが記事を書くのはどうかと思いつつも、初めてでもある程度事前学習しておけばそれなりに出来たよということ、でもやっぱりプロのように仕上げるにはかなり修行が必要だと感じたよということが伝われば幸いです🙏
しかし一回一通りやってみて、作業全体としてどういうものなのか理解できたので、次はもっと上手くやれるはず…!?
というわけでもうすでに次なるロッドビルド計画を妄想したりしつつ…
あとは仕上げに総まとめ&実釣編をお届けいたしますねー👌(後日更新)