【自作】グリップジョイント式ロッドの純正グリップが合わないのでグリップだけ作って交換してみた!

久しぶりのロッドビルディングネタです。

今回は初めてのグリップ製作…!!

買ったロッドのグリップがどうにも自分に合わなくて…なんて思っている方などに、多少参考になれば幸いです🙏!

純正グリップがどうにも合わなくて…

というわけで、タイトルのとおり、今回は【自分でロッドのグリップ作ってみた】という話です。

ことの発端はコレ👇

テンリュウスピードスティック

ロッド自体のインプレなんかはまだ書けていませんが、少し前にクランキング用として購入したテンリュウの「スピードスティックTSS#1L-256B」

実は購入前の段階から分かってはいたのですが、このロッドのグリップがどうにも自分に合わないのです…(~_~;)

というのも、このロッド、5フィート6インチという世間一般でいうところの【ショートロッド】でして、バスロッド界隈だと「ブランクが短くなるとグリップも短くなる」というのがあるあるなんですよね(^^;)

読者の皆さんはご存知のとおり、私はツララ×ボンバダショートロッドユーザーなので、この短さだと凄く違和感を感じてしまうのです…

テンリュウスピードスティック256Bのインプレ

純正グリップのメリットもあるのはもちろんですが、自分としてはダブルハンドで投げたくてもグリップ長が短すぎる…そしてスピードスティックユーザーは丸型リール愛用者も多いであろうに、リールシートがPTS仕様でして…正直「えぇ、なんでPTS…?」という感じなのでした。

メモ:fuji製リールシートのPTS(パーミングトリガーシート)とACS(アキュラシーキャスティングシート)を比較すると、ACSの方が丸型リールに合う設計となっています。丸型リールが好きということに加えて、ボンバダロッドの多くがACSを採用しているということもあり、自分のタックルはほとんどがACS仕様となっています。
リールシートのPTSとACSの違い

というわけで、もうこれは仕様変更するしかないか…と。

ブランクスは普通に素晴らしいので、グリップの不満さえ解消されれば最高に自分好みの巻物ロッドになるはず!と確信したのでした。

純正グリップの改造か?自作か?

というわけでグリップの仕様を変更するこことしたわけですが、やり方は2つですよね。

  1. 純正グリップを破壊してリメイクする
  2. グリップ部分だけゼロから作り上げる

幸いにも、スピードスティックはグリップジョイント式のロッドです。(まぁだから購入したのですが。笑)

なので、②の選択肢が可能なわけです。

コスト比較した結果、純正グリップ改造が大幅に安いわけではない上に、やっぱりなんか純正グリップはそのままに原型を変えずにおきたいな…という気持ちに。

そんなわけで今回は②の手段をとることとしました。

自作グリップ製作してみた

で、早速自作グリップの製作方法へ。

ブログに書くとトントン拍子で進んでいますが、まずここに至るまでに相当な時間を使っています…

正直、グリップ部分だけを製作するのは、部品さえ集まればかなり作業的には簡単なものです。(もちろん凝ったコスメなどを取り入れたら別ですが)

でも、その部品の組み合わせを決定して、部品を集めるまでがかなり大変というか、悩む部分でして…(^_^;)

計画2ヶ月、作業2〜3時間、という感じでした。笑

購入した材料

まずは今回グリップを製作するにあたり、買い集めた材料はコチラ👇

メーカー 品名 購入先
ジャストエース カーボンパイプCP40ー16(外径16mm) OZATOYA楽天市場
Fuji工業 ACS-SD17(CC) OZATOYA楽天市場
Fuji工業 技徳カーボンキャスティングハンドル用Nアダプター 釣道楽屋SABALO
ジャストエース SRG27-50EBK16(EVAグリップ) 釣道楽屋SABALO
ジャストエース REC-30RC17(ラバーコルク製エンドキャップ) OZATOYA楽天市場
マタギ D16-FRゴールド(リールシートスクリュー側ワインディングチェック) 釣道楽屋SABALO
マタギ RSR-ACSゴールド(リールシートエンドリング) 釣道楽屋SABALO
マタギ FPR-16ゴールド(グリップ間デコレーションリング) 釣道楽屋SABALO
東邦産業 フィッシングボンド OZATOYA楽天市場
東邦産業 エポキシコート専用薄め液40ml OZATOYA楽天市場
Tesa クレープマスキングテープ(通称テサテープ) Amazon

材料は全てネットで調達しました。

グリップ製作の場合、各パーツのサイズ(外径や内径)が命なわけで、各パーツの欲しいサイズを全て揃えているなんて、相当ロッドビルド関連に力を入れているお店でない限り、まずあり得ません。

部品の調達先は、ロッドビルディング界隈では超有名なサバロさん(東京)のネットショップと、これまた有名なOZATOYAさん(楽天ストア)

テサテープだけはAmazonで調達しましたが、それ以下のパーツは全てこの2つのお店で揃えることができました。(ロッドビルド関連のパーツを入手するにはかなりオススメです)

そして、今回のグリップ製作で一番キーとなったのは、ロッドを差し込む部分。

ブランクス側のフェルールが9mmとか10mmとか整数だったらなんてことないのですが、今回のスピードスティック1L-256Bは9.5mm…

内径が0.5mm間隔のカーボンパイプはまず売ってるところがないし、リールシートの内径も全て1mm間隔のサイズラインナップとなっています。

このため、「Nアダプター」というテンリュウ純正のアダプターを活用することにしました。

▲Fuji工業HPより。

このアダプターは、外径は16mm統一・内径は0.5mm間隔で9~14.5mmがサイズラインナップされており、スピードスティック各モデルのフェルールに適合するようになっています。

というわけで、この「アダプター部分の外径が16mm」というところに、各パーツのサイズの組み合わせを考えて、注文をしたのでした。

製作作業

そんなこんなで色々と苦労(?)して、集めた部品がこれら👇

自作ロッドグリップに必要な材料

 

というわけで早速作業を開始します!!

 

まずアダプターの内径を加工して、ブランク差し込み時の深さを調整しました。

▲上列左側が加工前、上列右側が加工後です。無加工状態だとフェルールの差し込む深さが浅すぎでした…汗

次に、ワインディングチェックをNアダプターに挿入します…が、これもNアダプターの外径16mmに対して、購入したワインディングチェックの内径16mmであるにも関わらず、キツキツで入り切らず。汗

というわけで、ここもNアダプターの外径を加工して調整。

▲Nアダプターの上部が傘状になっているので、ワインディングチェック要らなくね?と言われたらそれまでなのですが…なんかどうしてもアクセントとして入れたくて頑張りました。笑

続いて、リールシートとカーボンパイプ、EVAリアグリップを組んでいきます。

流れとしては、【カーボンパイプを好みの長さにカット→EVAグリップをカット→仮組み】という感じ。

▲愛用しているツララロッドを目安に、グリップ長を決めます。(長いものを短くするのは簡単なので、迷ったときはまず長めに作って仮組みするのが吉)
▲カーボンパイプのカットは糸のこで。人力でもそんな大変ではないです。
▲グリップエンドキャップの深さなどを考慮して、EVAグリップの長さを決めます。
▲EVAグリップのカットも糸のこで。カット面はヤスリで平らに整えます。
▲そして仮組み!ここまでくると一気に形になります♪

そんなこんなで加工が完了した各パーツがこちら👇

ここまでくれば、あとはエポキシ接着剤で接着剤させていくだけですので、ほぼプラモデルみたいなもんです!

まずはNアダプターとリールシートをエポキシ接着剤で合体🤝

▲リールシートの内径は16mm。アダプタの外径を削ってしまったせいで僅かにガタがあったため、テサテープを1周だけ巻きつけて微調整。
エポキシ接着剤でロッドのグリップ接着する
▲エポキシ接着剤を準備する様子。A剤とB剤は1:1で混合します。
リールシートとフェルールの接着
▲接着したい面にエポキシ接着剤をしっかり塗布した後に、ねじ込んでいきます。(エポキシ接着剤は硬化剤を混ぜ合わせるとどんどん硬化が進んでいくため、手早く作業する必要があります。故に接着剤塗布中の写真はなし。汗)
リールシートの接着
▲まずはリールシートにNアダプター+ワインディングチェックと、カーボンパイプを接着させました。エポキシ接着剤が、ACSのカーボンパイプが露出する部分にどうしても付着してしまうので、そこは薄め液で拭き取ります。

アダプターとカーボンパイプの接着がある程度固まったら、最後にリールシートエンドリング、EVAグリップ、グリップ間リング、ラバーコルクエンドキャップを接着させます。

そして完成!!

自作した延長グリップ

 

自作グリップのリールシートはACS

なんだか漢らしい無骨なグリップとなりましたね…汗

ですけれど、良さはほとんど伝わらないと思いますが、部屋で一人「これよこれ!!」とリール乗せて竿振って興奮しました。笑

自作グリップは快適そのもの!

そんなわけで先日軽く実釣で使ってきたのですが、まぁ狙い通りというかなんというかで…

グリップ重量の増加と、リアグリップの延長で手元が安定→巻きの釣りで最高やん!!という…(自画自賛)

さらにリールシートをACSにしたことで、丸型リールを乗せたときの使用感は段違いにアップ。

まぁ魚は釣れていませんが、かなりテンション上がります。

今後はこのロッドで小型〜中型プラグの釣りを楽しみたいと思います!!

苦労した点はやはりフェルール部分

というわけで大満足だった初めてのグリップ製作だったのですが…

苦労した点は、やはりNアダプターの加工でした。汗

グリップジョイント式のロッドを製作する場合、やはり一番シビアで難しいところは継ぎのところですので、ある程度は追加工が必須になってくるのは覚悟しなければなりませんね。

とはいえ、今回活用したNアダプターは樹脂製ですから、カーボンパイプの内外径を削る作業よりかは、相当楽でした。

グリップジョイント式ロッドを製作する際、ブランク側が直径9mm以上であれば、活用する価値ありだと感じます!

※ちなみにNアダプターはアマチュアロッドビルダーの「がうさん」からご紹介いただき、知ることができました。(がうさんありがとうございました!)

グリップ交換まとめ

初めてのグリップ製作でしたが、設計(どういうパーツをどう組み合わせるか)さえできてしまえば、組み上げは数時間で完了という感じでした。

最近はグリップジョイント式ロッドも市場に多く見られるので、グリップを変えたい…と感じた場合には、製作を検討してみてはいかがでしょうか🙌

特別な道具も必要ないので、案外ハードルは低めでしたよ〜!!

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