【ハンドメイドルアー考察】 トップコートはどれを選ぶべき?セルロース?ウレタン?エポキシ?それとも…

沼過ぎるハンドメイドルアーのトップコートについて考察します。

やり込み度合まだまだ全然なので、的外れなことも書いてしまうかもですが、現状での個人的考察です。

ハンドメイドルアーは沼

こんにちは、ルアー削ってキーボード叩いて腱鞘炎系の釣りブロガーみかん🍊です。

最近もう木材削ると左手の親指が痛くてのぉ…

まぁ休み休みやっていれば大丈夫なのですが、文明の利器にあやかりたくなっている今日この頃です。

それはさておき、一応ハンドメイドルアー製作を始めて一年ほどが経過しました。

まだまだ絶賛迷走中なところはありますが、ブランクの削り出しから下処理・塗装・トップコートなど色々と試行錯誤した経験についてちょっとまとめたいと思います。

難関作業の「トップコート」

ハンドメイドルアーに関しては、「難しいもの」と思っている方が多いかもしれませんが、こだわって美しく仕上げたいとか、同じルアーを量産したいとかでなければ、正直そこまで難しいものではありません。

木材を削るのは誰でもできることだし、塗装だって極論、スプレー缶で塗って油性マジックでアクセント付けするでも全然良いわけですし…

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しかし最終的なルアーのコーティング、「トップコート」については、手法も種類も様々で、結構難解な部分だと感じます。

ハンドメイドルアーのトップコートを考察

なので、今回は代表的なトップコート材料の「セルロースセメント」、「ウレタン」、「エポキシ」「UVレジン」の4種類について、それぞれの特性やメリット・デメリットについて個人的な考察をまとめました。

定番トップコート「セルロースセメント」

古くから使われてきているセルロースセメントですが、この呼び方は釣り界特有(?)のもので、一般名称としては「ニトロセルロースラッカー」です。

藤倉応用化工(FOK)製のセルロースセメント
▲ハンドメイドルアー界隈ではこれ以外考えられない?的な存在の藤倉応用化工(FOK)製のセルロースセメント(サビサビなのは子どもが触らぬようにベランダ保管されているため)

セルロースセメントは溶剤にニトロセルロースを含有した樹脂が溶かされていて、溶剤が揮発することで被限を形成します。

メリットとしてはコスパ的に優れていること(希釈度合で下地処理にもトップコートにも使える)、塗料との密着性が良いこと、強力で美しい被膜を形成することなどかと思います。

ハンドメイドルアーの下地処理(せるセルロースセメントのどぶ付け)
▲セルロースセメントにラッカーとリターダーを混合して木材に含侵させている図。どれくらいの濃度に、どれくらいの時間漬けるかなど、全てにおいて沼な世界です。

デメリットとしては薬品耐性が低いこと (ワームに含まれる可塑剤と触れるだけで溶ける)、色飛び・色流れ・白化(温度が高いと白く霞む)などが起きやすく、正直初心者には扱いが難しいということでしょうか。

コーティング剤としては何となく玄人向け?というイメージがあります。

下手すると最も多くの(?)ハンドメイドルアーに採用されていますが…自分は結構苦手です。笑

勝手に総評すると以下のとおり↓

  • 難易度  ★★★★★
  • 仕上がり ★★★★☆
  • 強度   ★★★★☆
  • コスパ  ★★★★☆

安定感のある「2液性ウレタン」

2液性ウレタンは主剤の液状ウレタン樹脂に硬化剤を添加することで化学反応が起きて硬化します。

ルアーコーティング用の2液性ウレタン
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1液性ウレタンというのもありますが、こちらは空気中の水分と反応して硬化するもので、2液性ウレタンとはだいぶ性質が異なります。

自分が2液性ウレタンでコーティングする際には専用薄め液で2倍希釈して、エアブラシで吹き付けるという方法を行っています。

メリットとしては仕上がりがツヤツヤテカテカで美しいこと、重ねて塗ることである程度厚みを出せること、剥離強度、 強度に優れているといったところでしょうか。

クランクベイトのトップコート方法はウレタン
▲最近作ったハンドメイドクランクは2液性ウレタンでコーティングしています…

デメリットとして最も感じるのは、完全硬化までにかなり時間を要することです。

丸一日放置すれば表面に触れるくらいの状態になりますが、ガチガチに硬化するには冬だと最低でも一週間以上はみる必要があります。

なので、即席でテスト用ルアーを作るときなどには超不向きですね…あと高くてコスパは悪いです。汗

勝手に総評すると以下のとおり。

  • 難易度  ★★★★☆
  • 仕上がり ★★★★☆
  • 強度   ★★★☆☆
  • コスパ  ★★☆☆☆

膜厚塗装向けの「2液性エポキシ」

2液性エポキシも2液性ウレタン同様に主剤と硬化剤を混ぜ合わせることで化学反応が起きて硬化します。

エポキシ系は溶剤を使わなくても2液を混ぜ合わせたものを硬化前に筆塗りすることで十分きれいな仕上がりを得られることや、下の塗装を侵食することなくコーティングできるため、色流れなどと無縁であることが最大のメリットです。(エポキシ特有の臭いはありますが、作業中に溶剤臭が漂うことはないので、屋内作業でも安心)

しかし、しっかり厚塗りをしないと、一か所でも割れが発生すると簡単に剥離してしまうイメージもあり、どうしてもコーティングが分厚くなることはデメリットとして感じる場面もあります。

膜厚なコーティングが施されたアメリカンなクランクやハンドメイドトップウォータープラグでつかわれている印象です。

エポキシコーティングのクランクベイト

コスパ的には 100均からロッドビルドやルアーコーティング専用エポキシまで価格が様々なので、一概に言いにくいのですが、ロスも少ないので比較的良いかな…と。

勝手に総評すると以下のとおり↓

  • 難易度  ★★☆☆☆
  • 仕上がり ★★★★☆
  • 強度   ★★★★★
  • コスパ  ★★★★☆

新規参入の「UVレジン」

工作用途以外にも歯科・医療分野や美容分野などにも最近よく使われているUVレジン。

正式名称は「紫外線硬化樹脂」で、UVランプにてUVを照射することによって重合反応が進み硬化するというものです。

UVレジンでトップコートしたCCシャッド

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メリットとしては何といってもUV照射すればほぼ失敗なく短時間で強い被膜形成をできること!!

2液性コーティング剤は配合率・気温・湿度などに左右されて硬化不良などを起こすリスクがある一方で、1液性無溶剤のUVレジンではこのようなリスクが低いということが市場拡大している要因かと思います。

デメリットについては、UVレジンは熱可塑性樹脂であるため恐らく夏の車内などに放置されたら変形するリスクがあると予想されること、あとはコスト的には高いし専用のUV照射ランプも必要となるあたりかと思います。

まだまだ自分も研究中ですが、失敗なく速攻硬化させられることに関しては非常に魅力を感じている材料です。

勝手に総評すると以下のとおり↓

  • 難易度  ★☆☆☆☆
  • 仕上がり ★★★★☆
  • 強度   ★★★★☆
  • コスパ  ★☆☆☆☆

往年の名作、C.CシャッドをリペイントしてUVレジンでコーティングした記事はコチラ↓

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ちょっと長くなりましたが、ルアーのトップコーティングについて私的考察を書いてみました。

私はプロの本業でありませんから、あくまでただの趣味レベルでやっている人間の一見解ですので注意をお願いします…_(._.)_

しかしまぁ簡単に書き出してみただけでも沼ですよね…まだまだ修行は続きます。

たくさん作れば作るほど上手くなるので楽しいのはもちろんなのですが、趣味レベルでやっている人間としては「その時間を確保することが一番の難関」だなと感じています。

実釣もしつつ、ブログも書きつつ、ハンドメイドルアー、、、まだまだ頑張りますよ〜♪(白目)笑

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