カヤックには「シットイン型」と「シットオントップ型」のカヤックが存在します。
釣りに適しているカヤックは果たしてどちらなのでしょうか?
パドルフィッシングには「SOTカヤック」?
こんにちは、久し振りにカヤックにまつわる話をかいてみようと思い立ったみかん🍊です。
きっかけはこちら…
はい、今月のBasser誌で、珍しくカヤックにまつわる話が掲載されていました。
詳細な内容については是非雑誌を手に取ってみていただければと思いますが、ざっくり言うと…
- 初めてのパドルフィッシングであれば、我々釣り人はSOTカヤックを選ぶべきである
- カヤックバスフィッシングトーナメントも開催されているアメリカではSOTカヤックが主流で、それをカスタマイズするのがトレンドになっている
- SOTカヤックの選び方
…といった内容でした。
もちろんBasser誌の内容を否定するなんていう気は全くないわけで、そんなことをしたら集中砲火を浴びるので、そこは最初に全否定しておきますが(汗)、シットインカヤックで釣りをして丸5年ほど経つ自分としては、ちょっと付け加えたいこともあるように感じたので記事を書くことを思い立ちました。
シットインとシットオンの違いは?
以前にも記事にしたことがありますが、シットインカヤックとシットオンカヤックの違いは、以下のとおりです。
シットインカヤック
メリット | デメリット |
機動性高め | 比較的使えるスペース狭め |
軽い(普通に持ち上げて運べる、カートップ楽勝) | 目線が低い |
比較的濡れない | 横転したら戻るの困難 |
シットオンカヤック
メリット | デメリット |
広々快適・荷物多く乗せれる | 機動性やや低い |
スピード乗れば早い | 重い(場合によってはドーリー必須、カートップ辛め) |
横転しても戻れる | 濡れやすく、風の影響は受けやすい |
自分はシットインカヤック歴5年ほどで、シットオンには一度試乗させてもらった程度なので偉そうなことは言えませんが、双方にはそれぞれメリット・デメリットがあるので、優劣をつけられるようなものではありません。
ただ、もしもパドルフィッシングにチャレンジしようと思い、カヤックの購入を検討するのであれば、それぞれの特徴をしっかり理解した方が後悔のない選択ができるかと思います。
SOTカヤックは確かに釣り向きだと思う
Basser誌で雨貝さんが書かれているように、SOT(シットオントップ)カヤックはたしかにフィッシングカヤックとして用いるのに、様々なメリットがあると思います。
オープンデッキであるため、タックルなどの荷物を置くスペースも広く確保されていますし、座面も高いため、キャスティング動作をするにも不自由がありません。
さらにはアメリカで現在トレンドになっているような長くて幅の広いSOTカヤックであれば、立ち上がって釣りすることも可能みたいです。

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これはシットインタイプでは絶対になし得ないことですね(^_^;)
また、カスタマイズ性もSOTカヤックの方が確かに高いと思います。
最近ではフットペダル式のカヤックも増えてきていて、これであれば移動と釣りを同時進行することが可能です。(シットインタイプのフットペダルカヤックは市場見る限りでは存在しません)
よく行く川でフットペダル式のカヤックに乗られている方がいらっしゃいますが、例えばテキサスリグでボトムを取りながらスローに探るような釣りも展開しているみたいです。
流れのあるところでカヤックフィッシングをやった経験がない方からするとイメージつかないかもしれませんが、これって動力がパドルのみのカヤックではかなり難しい釣りになります…
流れがある程度あるエリアだと、あっという間に流されてスローな釣りなんてほとんど展開できませんから(^_^;)
さらに言えば、アメリカだとフットコンエレキや小型エンジンを搭載するようなカスタマイズまで存在する模様です…

もうここまで来るとお一人様用超ミニバスボートみたいな感じですかね。汗
流石バスフィッシング先進国アメリカというところでしょうか…
しかし現実は7割シットインカヤック
たしかに、大型のSOTカヤックは「釣りをする」という点では様々な優位性があると思います。
ですが、実際のところの話でいうと、自分の感覚だとバス釣りしている人の7割くらいは「シットインカヤック」を使用しているように感じています…(※あくまでバス釣りでの話です。ソルトでは全く異なりますので注意)
フィールドで会う方はもちろん、SNSでもバス釣りで見た場合はシットインよりもシットオンの方がよく見かける印象です。
その理由は、安い・軽い・手軽、この3つのメリットがとても大きいからだと感じます。
コスパが高いと定評のあるパーセプション[Sound 10.5]と、Basser誌にも掲載されていたジャクソンカヤック[Cuda HD]を比較すると以下のとおりとなります。
製品 | Cuda HD | Sound 10.5 |
全長(mm) | 3810 | 3200 |
全幅(mm) | 863 | 750 |
カヤック重量(kg) | 35 | 21 |
価格(税別) | 288,000円 | 68,000 |
まず第一に、カヤックを始めるにあたり初期投資にどこまで出せるのか…?カヤックという浮きもの最大の魅力はその「手軽さ」だと考えます。
そう考えると、初期投資で10~20万を超えるカヤックには中々手が出ないかと…「そこまで出すならアルミのジョンボートでも買うよ」という人が多いのではないかと想像します。
また、カヤックを運搬するには、基本的に車のルーフキャリアに固定する、いわゆる「カートップスタイル」となります。
当然ながら大きくて重いカヤックをカートップするとなると、自分のような小柄で華奢な人間からすると中々辛く、危険な面も出てきます…大柄でがっしりしたアメリカ人がカートップするのとは条件が違うので、そのあたりも考慮する必要があると思います。
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さらに、集合住宅に住まれている方をはじめとした「カヤックを保管しておくスペースが確保できない」という方も、日本では多くいるでしょう。
その場合、組み立てして空気を充填することで成形する「インフレータブルカヤック」を必然的に選択をすることとなります。
インフレータブル式の場合、メジャーなカヤックはほとんどがシットインタイプとなっていますから、基本的にSOTカヤックを選ぶことはできません。
シットインカヤックでも釣りはできるよ
これまでこのブログで散々書いてきたように、もちろんシットインカヤックでもバス釣りは可能です。
むしろ流れのある狭い川の場合、細かいパドリングでポジション取りをしつつ、ショートキャストし続けるような釣りが基本となります。
その場合には、全長が短く、軽くて小回りの利くカヤックの方が有利に感じます。
もちろんシットオンカヤックでも小さくて軽いカヤックも存在しますから、一概に「シットインだから」という話ではありませんが…
▲自分の次のフィッシングカヤック候補として考えているパーセプション「ペスカドールプロ 10.0」。価格は105,000円で、10ft、重さは26kgです。
一番は「自分のフィールドに合ったもの」を選択すべき
海外と日本のバスフィッシング環境を比較したら、違いがあるのはもちろんなのですが、国内だけでみても、霞ヶ浦や琵琶湖でカヤックを浮かべるのと、ちょっとした溜め池でカヤックを浮かべるのとでは、状況が全く異なるかと思います。
移動距離が長いようなフィールドでは、当然長さのあるカヤックが楽になりますし、狭い場所で流れや風の影響が小さいフィールドでは、それこそ9ft台のカヤックでも十分だと思います。
シットオン、シットオン+フットペダル、シットイン、インフレータブル等々、自分の生活スタイルとやりたい釣り・カヤックを浮かべたいフィールドに合わせて「自分の一艇」を選択してみてください。
まとめ
カヤック歴5年程度で偉そうに色々と語ってしまい恐縮ですが、カヤックはハマる人にはハマると思います。
ひとりで気楽に、好きなときに好きな場所で小さい船に乗るのって、手軽に非日常を味わうことができますから…
まさか自分も毎週末カヤックが浮かべたくなるほどハマるとは、当初想像していませんでしたが。汗
カヤックに興味を持っている方に何か参考になれば幸いですm(__)m