【限界突破】瀕死の13メタニウムをオーバーホールして蘇生せよ。

毎年冬になると多くなるリールメンテナンスネタ、今回調理したのは、シマノ社の13メタニウムになります。

瀕死の13メタニウムをお預かり

というわけで、13メタニウムのメンテナンスをホームリバーの先輩より依頼されたため、お預かりさせていただきました。

しかしコレ「メンテナンス」という甘いレベルの話ではない。

もう◯んでます、この子、息してません。

クラッチは切るのはかなり重たい上に、レバー自体が破損。(白目)

レベルワインド周辺の汚れもやばい、随分昔に空き家となってしまった古民家くらいやばい。(白目)

スプールを抜いてみたら、シャフトに錆び・スプール内部はカピカピ。(白目)

ハンドルを回転させたとき、回ったので逆に驚きましたよね…「お?あぁ、回るんだ。」と。(真顔)

めちゃくちゃディスってるように聞こえると思いますが、めちゃくちゃディスってるんです。

しかし、一方でめちゃくちゃワクワクしているんですよ。「こいつの蘇生、オラにヤレんのか!?」ってね😉

まぁホームリバー先輩から預かるリールはいつもこんな感じなんです、過去にもネタにさせてもらってます🙏(ありがたや)

関連記事

釣り仲間から預かった07メタニウムMg7のオーバーホール備忘録です。 名機と言われる07メタマグですが、私自身07メタマグは所有した経験がないので、このブログでも登場するのは初めてかと思います。 なので中身がどんなになっているか[…]

関連記事

シマノの中〜高価格帯ベイトリールに採用されている『マイクロモジュールギア』。 巻きごこちのノイズレスさが売りとなっているこのドライブギア(メインギア)ですが、『グリス切れが早い、すぐノイズが出る、ゴリゴリする、シャリシャリする』なんて[…]

ジュラルミン製マイクロモジュールギアのデメリット

開けてビックリ限界突破

先輩から過去に預かったリールも中々の代物だったのですが

 

断言します、今回のは過去1です。(白目)

 

スゲェだろヤバスギワロタだYO!!🤮🤮🤮

 

もうなんか地層みたいなのができてたりします。多分リール内部で火山活動が行われたんでしょう。(謎)

ベアリングも、完全に錆びていて固着しているものもあったりして

いうかそもそもコレ、開けるだけでも超苦労したんですよ。汗

見ての通り、スプールを外すと出てくるところのビスが、完全にビスのネジ山お亡くなりになっています。

場所が場所だけに、ペンチ類でビス頭を掴んで無理やり回すとかもできないし、まぁ中々焦りましたよ。

色々考えた挙句、最終的には昔よく子どもにお願いされてやっていた、「トミカを修理するためにカシメてある部分をこじ開ける方法」を決行しました。

簡単にいうと、ビス頭だけを電動ドリルで削り潰していって、最終的にビスが抜けるようにするんです。(もちろんビス頭だけじゃなくその周りも多少は被害出ます)

ビス頭を削り潰し、解体後、最終的にはメンテナンスが完了したのちに、在庫を持っていた同サイズのビスでしっかり締め込んでどうにか復旧できました…

▲ビス周りのボディが若干傷ついてしまってますが、もちろん依頼者さんには説明済み。開けねばゴミになる運命ならば、これくらいは…ね。汗

洗浄、洗浄、ひたすら洗浄

そんなわけでボディも開けられたことだし、無事にメンテナンスをスタート。

まずは部品一つ残らずバラバラにしましょう。

これくらいの年式のシマノベイトリールなら部品がごちゃ混ぜになってもぱぱっと組めますからね、気負わず分解していきます。

リールメンテナンスで一番大変なのは間違いなく洗浄作業です。

普通のリールなら、ベアリング類以外はぬるま湯に中性洗剤を溶かして暫く放置、からの歯ブラシや綿棒による汚れ除去…とかで事足りますが、もうここまでキテルと全然一筋縄ではいかなくて。汗

結局ドライブギアなんて、最終的には歯溝全て1つ1つを爪楊枝で汚れかき出しましたよ…

…さて、そんなこんなで洗浄工程すら中々終わらないもんだから、深夜にちょっと嫌になりながらも、かなり時間をかけて、しっかり汚れを取り除いて、全ての部品がキレイさっぱりに。

あ、最初に書いたとおり、一部のベアリングには錆も出ていたので、錆び取り用の油につけ置きパーツクリーナーで脱脂を数回繰り返して何とか息を吹き返しました。

錆が酷かったものは、もちろん新品ベアリングレベルとまではいきませんが、ゴロつきはなくなって、普通に使えるレベルにはなりましたね。

瀕死だった13メタニウム、無事に復活!

そんなわけで分解・清掃が終われば、あとは楽しい楽しい組み上げタイム。

ボアード製のグリス・オイルを使って、極力ノイズを感じにくく、油切れを起こしにくいような仕上がりを目指しました。

使用したグリスはオメガデルタ、オイルはキメラライトデューティ

油脂選びって正解がないし、理論的なことを理解するには化学と物理の知識も必要になってくるので、中々難しい分野ですよね。

自分も仕上がりの違いとか事細かにわかるわけではないですが、ドライブギア周りのグリスで言うとオメガはオススメです。

理由は、純正グリスとの違いを明確に体感できるから。

低粘度で高粘着な感触はかなり独特なのですが、マイクロモジュールギアをしっとりとした質感に仕上げるには向いていると思っています。

※一方でバス釣りのウチモノ専用機として使う場合や、アルミギアらしい感触を残したい場合はさっぱりとしたデルタがオススメ。

…で、そうこうしているうちに、ついに息を吹き返した13メタニウムがこちら👇

ツイートに書いているとおり、今回は一切部品交換なしで仕上げています。(ネジ山がなくなってたビス1本は除く)

酷使された各パーツを整えて、どうにかこうにか使えるレベルに持っていってあげるのがメンテナンスやる人間の腕の見せ所じゃないかな…と。

ドライブギアだってベアリングだって、お金かけて新品に交換すれば、良い仕上がりになるのは当たり前の話ですからね。笑

ちなみに13メタニウム、15メタニウムDC、16メタニウムMGL、この3台のドライブギア+ピニオンギアはセットで6000円ほどなので、かなりお値段張ります😱

あ、そうそう割れていたクラッチレバーについては、エポキシ接着剤による接着+空洞部分へのエポキシ充填をすることで補修・補強をしています✌️

依頼主様へご返却

整った13メタニウムに加えて、トップガイドの補修をお願いされたブラックレーベルも仕上げ完了。

合わせて依頼主様にご返却完了です。

一応「ギアがかなりダメージ受けていたので、流石にちょっと巻き感はシルキーとは言い難いです〜」とお伝えしましたが、「全然大丈夫だよ〜!」と仕上がりに喜んでいただけました✌️

日頃お世話になっていますし、もちろんお代は無料ニコニコサービスですよ🙆‍♂️

まとめ

というわけで、瀕死の13メタニウムを蘇生したお話でした。

冬の間にメーカーさんにオーバーホールを出す方も多い方は思いますが、発売後10年経過モデルはメーカー修理不能となるので、結局は自分でやるか、個人でオーバーホール・メンテナンスを請け負ってる方にお願いするかの2択になりますね。

個人的には前者(自分でやっちまう)をオススメしたいところですが、向き不向きもあるので、SNSなどで信頼できそうなオーバーホール屋さんを見つけておく・知り合いになっておくことは重要だと思いますね🤔

ではでは、今回はこんなところで。

関連記事

発売して早1年。 今更ですが22メタニウムシャローエディションを購入したので、自身で施したカスタマイズや20メタニウムとの棲み分けなんかについて、書いておきたいと思います。 超今更の「22メタニウム」購入 というわけで、早速ですが[…]