21カルカッタコンクエスト100/101の実釣インプレです。
外観やメディアで取り沙汰されていることだけでなく、内部構造の変化や14カルカッタコンクエスト100/101、19アンタレスと比較した観点も含めて洗いざらい書いていきます。
21カルカッタコンクエスト100/101はどんなリールなのか?
というわけで、先日初回出荷で入手した21カルカッタコンクエスト100HGを実釣で使ってみてのインプレです。
21カルカッタコンクエスト100/101 | 21カルカッタコンクエスト200/201 | |
ギア比 | 5.6、7.4 | 4.8、6.5 |
スプールサイズ | Φ33mm、幅19mm | Φ38mm、幅21mm |
糸巻量 | 16LB-80m | 16LB-120m |
最大巻上長 | ノーマルギア58cm、ハイギア77cm | ノーマルギア57cm、ハイギア78cm |
ハンドル長 | 42mm | 42mm |
ベアリング数 | 13 | 13 |
自重 | 220g | ノーマルギア235g、ハイギア240g |
実売価格 | 45,000~4,8000円程度 | 48,000~50,000円程度 |
当ブログではこれまで21カルカッタコンクエストに関して2つの記事を投稿していますが、基本的には「旧モデル(14カルカッタコンクエスト100/101、15カルカッタコンクエスト100/101HG)からどう変化しているか?」という視点で書いてきています。
●スペック的に旧モデル・新モデルの同番手でどう変化しているかを考察した記事はコチラ↓
最終更新日:2021年4月2日 ※最後にリンクを貼りました。購入後に早速分解して内部構造を解説した記事と実釣性能を徹底的にインプレした記事です。購入に迷われている方には多少参考になるかと思うので、気になる方は是非そちらのページを覗いて[…]
●21カルカッタコンクエストと14カルカッタコンクエストを同時に分解して、各パーツの変化を実際に比較した記事はコチラ↓
2021年のシマノ新型ベイトリールの目玉ともいえる「21カルカッタコンクエスト」ですが、予約していたものがようやく届きました。 早速ですが、毎年恒例?期待の新モデルを中身までしっかりファーストレビューしていきたいと思います。 21カ[…]
今回21カルカッタコンクエストを購入するか否かを決めかねている人は「4万以上出して旧モデルから乗り換える価値があるか」・「ロープロモデルがメインだけど19アンタレスとどちらが良いか(または19アンタレスを所有しているけど買う価値あるか)」…この辺りのことに悩まされてるのかなと想像します。
まぁなんせ見た目的には旧モデルから大きく変わってないですからね、遠目で見たら同じリールに見えるだろうなってレベルです。笑
なので、実際の性能や使用感についてしっかりまとめていきます。
パーミング性:小型化で握りやすくなった…だけじゃない。
まずは一番話題に上がってるであろう「パーミング性」に関して。
14カルカッタコンクエストはSコンパクトボディ設計となったことで、01カルカッタコンクエストから大幅なパーミング性の向上を実現しましたが、21モデルではさらなる同番手比較でさらに小型化されました。
旧モデルの100番手から見たら、今回の100番手は「70番手くらい」とよく表現されていますね。
確かにパーミング側のボディがさらに小さくなり、手の小さい人でも握りやすくなった…というのは確かです。
でもそれだけではないです。
14カルカッタコンクエスト100/101と比較すると、21モデルは同じ自重ですが、握りやすい上に重さも感じにくいと思います。
理由は2つあり、1つは「ボディ全体がナロー化されたために、重心が左右にブレにくい」ということ、そしてもう1つは「ギアボックス位置が下がったことで低重心化された」ということです。


これらの要素が組み合わさった効果か、操作性はかなり高いです。
シマノ公式動画の中で田辺プロも触れていましたが、親指を大きく広げた状態と、小さく窄めた状態とでは、手首の動かしやすさというのは変わります。(関節柔らかい人は実感しにくいかもですが)
つまり手首が動かしやすく、それでいてリールの重心がロッドのセンターで安定しやすくなっている…となれば、キャスティングもしやすいし、ジャーキングなどのロッドワークもしやすい、という感じです。
小さくなったからリトリーブするときに握りやすい、というだけでなく、そういったところも含めてパーミング性は旧モデルと比較して向上しています。
キャスティング性能:投げにくいルアーでは19アンタレス超え。
カルカッタコンクエスト愛好者が、21カルカッタコンクエスト100/101に最も期待していたことは、恐らく「キャスティング性能の向上」だったと思いますが、今回、スプール径33mmのMGLスプールⅢ+第三世代SVSインフィニティを搭載することでこの期待に応えています。
簡単に言うと見出しのとおりです。
スプールが小口径化されているので当然ではあるのですが、軽いルアーや空気抵抗が大きくて投げにくいルアーに関しては、19アンタレスのキャスト性能を超えています。
具体的には、16lbのナイロンラインで5gのタイニークランクがストレスなく投げられます。もちろん1/4ozクラスのシャッドやスピナーベイトなんかも問題なし。
アンタレスでは若干ラインが浮いてしまい、ブレーキを強めないといけないようなものでも、21カルカッタコンクエスト100であれば普通に投げられてしまいました。

愛機の1つなので言うのに気が引けるのですが、おそらくこれ、8lbのフロロを巻いた17カルカッタコンクエストBFS HGよりも遥かに扱いやすいです…
自分がどうもFTBブレーキを苦手に感じているというのもあるかもしれませんが、21カルカッタコンクエスト100の方がタイニークランクやシャッドは正直かなり投げやすいですね…ブレーキが素直、そして飛距離が出る(^_^;)
一方、逆にある程度重量のあるルアーに関しては、19アンタレスや20メタニウムと大きな差は感じられない印象でした。
それこそ1oz超えのルアーならきちんとメンテナンスしている14カルカッタコンクエスト100/101でも十分飛びますしね…(むしろスプール径が大きいので向いている)


あと触れておきたいのはサイレントチューンによるスプール回転時のブレの軽減や立ち上がりの向上についてでしょうか?
ただ、これに関してはサイレントチューン自体賛否両論あるし、チューニング(ベアリングの洗浄や注油、組み上げ時の調律)でも大きく変わるところなので、「うーんよくわかんねぇな…」というのが正直なところです。笑
実釣では愛機の14カルカッタコンクエスト100(使用歴7年目)をフルメンテした状態で比較していたのですが、キャスト時の静穏性も十分だし…自分の五感で感じ取れていないだけだったら申し訳ないのですが。汗
21カルコンは当然良いですが、フルメンテ済みの14カルコンも普通に良いです。笑 pic.twitter.com/KpFhsdF8hO
— ナナブンノニ:みかん (@mikan_saitama) March 27, 2021
巻きごこち:スプールの小口径化+ハイギア化でも旧モデルのトルクを意地。
コンクエストと言えば「最高にシルキーな巻きごこち」が代名詞かと思いますが、新モデルも勿論もれなく文句なしの巻きごこちです。
結論としては見出しのとおりなのですが、モデルチェンジに伴い、同番手比較だとスプールが小口径化されているため、新モデルは巻き取り量を稼ぐためにギア比が上がっています。
100番手ノーマルギア | 100番手ハイギア | |
旧カルカッタコンクエスト | ギア比5.2、最大巻上長59cm | ギア比6.8、最大巻上長77cm |
新カルカッタコンクエスト | ギア比5.6、最大巻上長58cm | ギア比7.4、最大巻上長77cm |
ギア比が上がれば当然、回転数が得られる代わりにトルク(駆動力)が失われます。
そのため、ハイギア化されるといわゆる「重ったるい感じ」になるわけですが…
はい、それを相殺するためのメインギアやウォームシャフトギアの大型化ですね。
これらによって巻き取り量を維持しながらも十分すぎるトルクを確保しています。
しかし当然、メインの真鍮製ギアが大型化したことで、重量は増えてしまいます…
というわけで、各部を限界まで軽量化して総重量を旧モデルと同等に維持している、という感じ…ですね。(下の画像からシマノ開発者の努力を感じて欲しい)
クラッチの操作感:可もなく不可もなく、ただし強度はアップ
最後にクラッチレバーの操作感に関してですが、まぁこれは可もなく不可もなくという感じです。
クラッチレバーの指を置く面が若干狭くなっているので、細かい感触とかはあると思いますが、旧モデルと比較して大きな差は感じません。
ちなみに前回記事でも触れているように、クラッチレバーの固定方法は「ビス2本留め」に変更されています。
このため、ハードユーザーさんが抱いている「シマノ純正クラッチレバーの強度的なネガ」は解消されているかと思います。(実際は長期使用しないと検証できない部分ではありますが)
総合的な使いやすさ:ロープロモデル含めても扱いやすさは抜群、巻きのハイエンド
キャスティング性能の高さ、トルクのある巻き取りとシルキー具合、パーミング性の向上などなど…21カルカッタコンクエスト100/101、褒めすぎ感が出ちゃうかもしれませんが、まぁ予想していた以上でした。
ロープロリール(メタニウム、バンタム、アンタレスなど)を含めて、「巻きのハイエンドモデル」と評価して良いのではないかと思います。
特に小型〜中型プラグを扱うには至高のモデルではないかなと。
加えて、これまでのカルカッタコンクエストだと、ロープロモデルと併用する場合に【ロープロ→丸型】と持ち替えたときに、結構な違和感があったのですが、ボディのナロー化・低重心化により、その違和感は相当小さくなりました。
まずは1シーズンじっくり使い込みますが、今年一番のメイン機になることは間違いありません。
21カルカッタコンクエスト100/101をカスタムする必要性
最後にリールカスタムに関してですが、正直カスタム好きの自分も、カルカッタコンクエストシリーズは旧モデルもほぼノンカスタム状態でずっと使っていたので、今回もほとんど手を入れることなく使うと思います。
現状、やるとしたらロングハンドル化(90mmか95mmアベイルハンドルへの変更)と丸型ノブ化くらいかなと…

あとは今後、カスタムパーツ屋さんが専用パーツ製作してくれるかどうかですね。
個人的に期待するのはカケヅカデザインワークスさんのジュラルミン製オフセットクラッチと、アベイルさんのスーパーシャロースプールの2点。
前者は言わずもがなという感じで、愛機全てがオフセットクラッチ化されている自分としては、21カルカッタコンクエスト100/101専用クラッチの発売を待ち望んでます。笑

後者はトラウト向けで装備したら面白いだろうなぁと。
01カルカッタコンクエスト50にマイクロキャストスプールトラウトスペシャルを入れたものを所有しているので、自分としての必要性は低いのですが、需要は結構あるのではないかな…と。(純正スプールにがっつり太糸巻いてあのキャスト性能ということを考えると、スーパーシャロースプール+細糸なら相当軽いものまで投げられる?)
まとめ
毎度のごとく長文となりましたが、21カルカッタコンクエスト100/101のインプレでした。
まとめると…
- パーミング側がコンパクトになったから握りやすくなっただけじゃない、ナロー化されて重心がセンターに寄ること、ギアボックスが低重心化されてることで操作性はかなり高くなっている。
- ギア比が上がっているにも関わらず、巻き心地とトルクは旧モデルと同等を維持。
- 投げにくいルアーにおいては、19アンタレス超えのキャスト性能。遠投性能はそこそこ。
- 金ピカでかっこいい。
こんなところですね。(最後は完全にただの主観)
お値段的には結構手が出しにくいリールかと思いますが、当面はハードベイトの釣りにおいてメイン機になることを考えたら、自分は全く後悔していません。
あとは長期的に使用していって、使用感がどう変わってくるかをしっかり見ていきたいと思います。(個人的に一番気になっていることは、インフィニティドライブ機構でピニオンギアのガタが早まらないかという部分…)
色々思うところがあって、21カルカッタコンクエスト100HGをのせるロッドも新規に購入したので、色んなルアーを巻いて今シーズンを楽しんでいきます♪