【インプレ】23カルカッタコンクエストBFSはバス釣り用途で必要なのか?カスタム含めて感じたこと色々。

2023年発売の新モデル、23カルカッタコンクエストBFSを購入して数回釣行を重ねました。

購入者の多くは渓流ベイトフィネス用途なんじゃないかと想像しますが、自分はバス釣り用途として購入。

バスアングラー目線的に、そしてカルコン好き的に、23カルカッタコンクエストBFSのインプレ的なものをまとめておきます。

※バス釣り用途で買おうって人はかなり少数派だと思うんで、大して需要ないかと思いますが…汗

23カルカッタコンクエストBFSを購入

そんなわけで23カルカッタコンクエストBFS、スペックなんかはメーカーHP見てくださいって感じですが、一応21カルカッタコンクエスト100/101と比較で書いておくと下記のとおりです。

23コンクBFS 21コンク100/101
自重 195g 220g
ギア比 HG7.8、XG8.9 ノーマル5.6、HG7.4
スプールサイズ Φ29mm/幅19mm Φ33mm/幅19mm
糸巻き量 8lb-45m 12lb-100m
ハンドル長 80mm 84mm

★シマノ公式HPはこちら

皆さんご存知のとおり、ボディベースは21コンク100/101、それをマグネットブレーキ化、スプールの小口径化、軽量化が図られているモデルとなります。

▲購入したのは23カルカッタコンクエストBFS HG (右)。

ちなみに旧カルカッタコンクエスト(100/101及びBFS)からボディ形状や内部構造がどう変わってるかは、以前21カルコン100/101の分解インプレ記事にうんちくを書いてます。

気になる方はそっちからどうぞ↓

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21カルカッタコンクエスト100を分解して内部構造を比較

分解してちょっと詳しく解説

スペックと外観だけじゃちょっと物足りない人もいると思うので、分解してもう少し詳しく見ておきたいと思います。

とりあえず中身の画像を一通り掲載しておきますね。

…といっても、内部構造的には基本21カルコン100/101と同様なので、そんなに特筆すべき点はないんですが…

スプールが小口径化されてSVSユニットもないので、当然スプールの自重は大幅に軽くなっています

あとは遠心ブレーキとは異なり、基本的にサイドプレートをフィールドで開けることがないため、フリップオープンではなくなっていますね。

ブレーキシステムは17カルコンBFSに採用されていた旧FTBよりも可動域が広くなっている新FTBとなっていますが、これは22アルデバランBFSにも採用されていたものなので、今回初めて登場したものでもありませんね。

一番ぱっと見で目を惹くのは大きく肉抜きされているジュラルミン製ドライブギアですかね…

カルコン=真鍮ギアというのが常識だったわけですから、これはカルコンファンとしたらかなり驚かされた変更点だったのではないでしょうか。

※というか、歴代カルカッタシリーズでジュラルミンギアが使われるのは初めてでは?ちゃんと把握してるエロい人いたらリプお待ちしてます。ちなみに17カルコンBFSは真鍮ギアですよ。

一般的には「ジュラルミンギア=耐久性が低い上にスカスカな巻き心地=カルコンに適さず」というイメージが絶対強いですからね…

実際の使用感に関しては後述しますが、兎にも角にもこれによって195gというカルコン史上最軽量を実現したわけです。

※厳密には04カルコン50S/51Sも195gみたいなので、最軽量と同一重量という感じですが。

結局「買い」なのか否か?

スペックが〜とか内部構造が〜とかいう話は一先ずもうこれくらいにしておくとして、結局のところ、このリールは買いなのか否なのか???

 

直球で言うと、ほとんどのバサーには必要性のないリールかと思います。

※あくまで「バサーには」ですよ

 

かなり頑張って軽量化されてるって言ったって、195gですからね…22アルデバランBFSの130gやD社SS AIRの145gと比較したら…って話です。

リールは軽けりゃ軽いほどいい、っていうわけではもちろんありませんが、軽いルアーを扱う場合、基本重さはデメリットになるかと思いますので…

リールの自重だけでなく、糸巻き量的にもフロロカーボンライン8lb-45mというスペックは、巻物用リールとして使用するには汎用性が低いです。

※ちなみにシマノの取説には「本品はフロロ専用です」と記載があります。実際はほとんどの人がPEで使ってるかと思いますが…

Φ29mmまで小口径化したのは、バス釣りではなくて、やっぱり渓流ベイトフィネスなど他ジャンルのニーズを強く意識している仕様でしょう。

バス釣りで使う「タイニープラグ」っていいとこ4、5gですからね。

バサー的には【より軽いルアーをストレスなくキャスト可能!】みたいな方向性に対して、「いやそういうの欲しいわけじゃないんだよなぁ…」と感じてしまうのは、きっと私だけではないはずです。

こんな人には薦めたいリール

とはいえ、自分は4万だか5万だか出してこのリールを購入しているわけでして。

バサーでも下記のような人には薦めたいと感じます。

  1. ただひたすらにカルコンが好きな人
  2. 巻物の釣りはベイトリールでしかやらない人・やりたくない人
  3. 21カルコン100/101を既に愛用していて、より軽い領域のルアーを快適に巻きたい人
  4. 17カルコンBFSをこれまで愛用してきて、よりストレスフリーな後継機種を求めている人

①と②は感情論みたなもんなので置いておくとして…③と④については真面目な意見です。

まず③の話、バス釣り用途で汎用性が高いのは、絶対に21カルコン100/101です。

Φ33mmのMGLスプールは本当にキャスト時のトラブルも少なく、且つ太糸でも十分な糸巻き量、対応できるルアーの幅もかなり広いですからね…

▲100/101でもも6gくらいのクランクなら全然ストレスなく投げられます。(ちなみにラインはナイロン16lb)

ですから、メインの巻物タックルはあくまで100/101をのせたロッド、そして23BFSをのせたロッドはメインを補う+1タックルという位置づけになる感じ。

あとは④の話…これまで17カルコンBFSを巻きの釣りで愛用してきた人には、単純にお薦めできます。

モデルチェンジに伴ってΦ32mmスプールからΦ29mmスプールへの変更されることを知ったとき、「うわぁマジかよフィネスに寄せすぎだろ…」と思ったのが正直なところですが、実釣でのデメリットは今のところ感じていません。

使用感は17カルコンBFSと異なる?

モデルチェンジに伴い、実釣面で旧モデル(17カルコンBFS)と新モデルとで使用感は異なるのかって話なんですが…

 

はっきり言って、新モデルの方がかなり扱いやすい印象です。

 

…というのも、旧モデルを使ったことある人は感じているかもしれませんが、旧FTBブレーキ+Φ32mmスプールの17カルコンBFSって、キャスト性能はかなりピーキーでした。

シャッドプラグのような軽いルアーも投げようと思えば確かに投げられますが、ちょっとでも向かい風が吹けば、投げられたもんじゃありません…

1/4ozスピナベとか、空気抵抗の大きくて軽めのルアーもかなり投げ辛かったんですよね。汗

そこを新モデルは、NEW FTBブレーキ+スプール及びスプールベアリングの小口径化で大きく改善してきています。

もちろん、「気持ち良いほどめちゃくちゃ飛ぶー!!」って感じのキャストフィールではありません。

ですが、スプールの立ち上がりは明らかによくなっているし、小型プラグの釣りで必要十分な飛距離がトラブルなくしっかり出ます。

スプール径が小さくなったことでギア比を上げていますが(同じHGでも17 BFSは6.8に対して、23BFSは7.8)、ドライブギアが大型化された効果なのか、巻き取りの重さが気になるということもありませんね…

 

また、ドライブギアがジュラルミン化されたことによる巻き心地の変化を気にかける方もいるかもしれませんが、正直新品で使い始めた段階では、真鍮製ギアとの差は皆無です。

もちろん長期使用に伴う耐久性に関しては、それなりに差が生じる気もしますが、10年ほど前から出てきたジュラルミン製MMギアもモデルチェンジごとに改良されてきていますから、そこは過度に心配する必要はないと思っています。

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※22メタニウムシャローエディションもそうでしたが、最近のジュラルミン製MMギアは上記の記事に出てくる16メタなどに搭載されている初期MMギアとはモジュールや歯厚が異なっていますね。

 

総じて、汎用性の高いリールというわけでありませんが、ライトプラッキング用リールとしては「あり!!」というのが私の結論です。

最近流行り?のセントクロイのウォブンロールとか、ライトなグラスコンポジットと合わせることで、タイニークランクやシャッド、小型トップなどを非常に気持ちよく巻けるリールだなと…

▲小さなフラットサイドクランクやシャロークランク、シャッドなんかはもちろん良いのですが、個人的にはこれまた最近流行り?のシンキングスイッシャーなんかを巻くにもお薦めです。

23カルコンBFSをカスタムするなら

最後にカスタムに関して。

はっきり言ってわざわざカスタムするところなんてありません…と言いたいところですが、2点だけ。

まず1点目はクラッチレバー…これは17カルコンBFSのときと全く同じ話ですね。

100/101とクラッチ周り含めたボディ形状が全くいっしょなのにもかかわらず、スプールが-4mmもしてるんだから、当然クラッチレバーとスプールの距離が単純に離れてしまっています。

そんなわけで、いつものKDW頼み。

装着させていただいているクラッチレバーは無垢アルミのプロト品ですが、まぁ17カルコン同様、クラッチレバーをオフセットクラッチに交換することによるフィーリングの変化はかなり大きいです。

こちらのリリース情報に関しては、KDW代表さんのアナウンスを待ちましょう。

 

2点目はやっぱりハンドルですね。

ハンドル自体はほとんど見た目の話なので、まぁ純正品のままでも良いのですが、ハンドルノブに関しては純正品だと若干違和感…

やはり巻きの釣りをするならば、もう少しボリュームのあるノブの方が適していると感じます。

そんなわけで自分は20メタ純正に交換済み。

ついでにハンドルやらノブキャップやらもいつも使っているヤツに変えましたが、まぁこの辺はほとんど自己満のためにやっただけですね。

  • ハンドルノブ:20メタニウム純正ハンドルノブ
  • ハンドルノブキャップ:ヘッジホッグスタジオ HKC-20MT
  • ハンドル:アベイル オフセットハンドルLT85mm
  • ハンドルロックナット:KDW チタンロックナットM7

まとめ

というわけで、そんなニーズないだろうから簡単に書こうと思っていた23カルコンBFSのインプレ記事。

結局なんやかんやで4500文字オーバーとなってしました。汗

最後までお読みいただいた方、感謝いたします…

自分もまだまだこれから用途や使用ラインを模索する段階ではあるので、気がついたらことがあったらまた追記しておきます。

もちろんロープロリールだけでも実釣に必要な道具は揃えられますが…カルコンを握っているだけであれなんです、「喜びが満ちてくる」ってやつなんですよ。(結局は感情論という我ながら酷い締めくくり。汗)

自作した柔らかグラスロッドと組み合わせて、ライトプラッキングの釣りを楽しんでいきたいと思います。

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