2017年にシマノより発売された17カルカッタコンクエストBFS HGを再度インプレします。
過去にもインプレ記事を書いているため、一部重複する部分もありますが、3シーズン使用でのインプレとして改めてまとめていくとともに、カスタムに関することもこの記事に集約したいと思います。
17カルカッタコンクエスト BFS HGを再インプレ
というわけで、2020年6月時点(3シーズン使用)での17カルカッタコンクエストBFS HGのインプレをまとめていきたいと思います。
3年ほど前に初版を書いたインプレ記事はいまだに結構なアクセスがあり、コメント欄にも時々質問をいただいたりするのですが、どうにも内容がちょっと古い視点からになってしまっています(^_^;)
最終更新日:2020年6月18日(追記あり) おかっぱりやカヤックでかなり使い込んできたカルカッタコンクエストBFS HG・・・ フィッシングショーで触ってみた、ネット情報集めてみた!系のインプレじゃなく、がっつり自腹切って今も[…]
もちろん内容は部分部分でこれまでアップデートしてきてはいるのですが、今感じていることの全てを盛り込むのは中々難しいため、新たに別建てで記事を作ることとしました。
丸形リールというカテゴリーで、渓流ベイトフィネスやライトプラッキング用途のリールを購入検討している方にとって、17カルカッタコンクエストBFS HGは一つの選択肢として挙げる方も多いかと思います。
なので買うにしろ買わないにしろ、何かしらの参考になれば幸いです。
17カルカッタコンクエストBFS HGのスペック・特徴
まずは一応、17カルカッタコンクエストBFS HGのスペック・特徴についてまとめておきます。
そんなものはシマノ HP見て知ってるわ!という方は読み飛ばしてください。
重量 | 200g |
ギア比 | 6.8 |
スプール径・幅 | Φ32mm・幅21mm |
ラインキャパシティ | 8LB-45m |
価格 | ¥54,000 |
17カルカッタコンクエストBFSは14カルカッタコンクエスト100/101と同一のボディがベースとなっていますが、以下のような仕様変更がされています。
- スプールの小口径化(37mm→32mm)
- ブレーキシステムを変更 (SVSインフィニティ→FTB)
- エキサイティングドラグサウンドの搭載
- 各部の軽量化(全体重量215g→200g)
過去、シマノでは09カーディフ50SDCやカルカッタコンクエスト50/51、50/51DCといった丸形のフィネス向きリールも販売されていましたが、現在は全て廃盤モデルとなっている状況です。
このため、フルアルミボディの剛性さとシルキーかつパワフルな巻き心地を併せ持っている丸型ベイトフィネスリールというのは、現行機だと17カルカッタコンクエストBFS一択になっています。
最初に触れておきたいネガティブポイント
机上の話はこれくらいにしておいて、まずは最初に、自分が17カルカッタコンクエストBFS HGに不満を感じていた部分について書いておきます。
一つ目は前項にも書いたとおり、ボディベースが100/101の転用であるということです。
旧コンクエストシリーズでは200、100、50といった棲み分けがリール全体の設計でされていたにも関わらず、現行コンクエストではΦ32mmベイトフィネススプール用のボディというのは専用設計されていません。
シマノとして丸形ベイトフィネスリールのハイエンドモデルとして推し出すのであれば、専用設計されたボディで作ってほしかった…というのが私の率直な感想でした。
そこまでボディの再設計にこだわる必要ある?と思われそうですが、これによって下画像のとおりクラッチレバー部分にもネガが発生しています。
スプール径が大きく異なるにも関わらず、カルカッタコンクエスト100/101もBFSもクラッチレバー部分は同じ設計であるため、クラッチの操作感はかなり悪く感じます。
また、ラインキャパシティが少なすぎるというのも不満のひとつでした。
細糸を巻いて近距離で使用するベイトフィネスリールなら8LB-45mというラインキャパシティでも問題ありませんが、例えばおかっぱりでライトプラッキング(巻きの釣り)をするとなると、明らかに糸巻量が足りないと感じるシーンがあります。
ただ、これはFTBブレーキの構造上致し方ないこと、そしてキャスト性能の部分で書いているPEライン+ロングリーダーシステムの使用で解決できることから、現状では大きな欠点として捉えていません。
17カルカッタコンクエストBFS HGの実釣インプレッション
ネガティブポイントを踏まえた上で、実釣における使用感をまとめていきたいと思います。
なお、これまで自分が使用してきたシーンは、プールトラウトフィッシングやおかっぱりバスフィッシングにおけるベイトフィネスの釣り、カヤックバスフィッシングにおける巻物(シャッドやメタルバイブ等)の釣りなどが中心なので、それらの視点から見た内容となります。
パーミング性・操作感
まずパーミング性に関しては、比較的手が小さい自分からすると、決して良いと感じるボディ形状ではありません。
とはいえSコンパクトボディ設計でリール全体がローダウンされており、旧カルカッタコンクエストシリーズからみれば大きく改良はされています。

ロープロリールをメインに使用されている人からすると、どうしても使い始めは違和感があるかもしれませんが、ここは丸型リールの特性として目をつぶるしかないかなと…
リール重量については「200g」というとベイトフィネスリールのカテゴリでみたらかなり重いかと思いますが、巻きの釣りをやる分にはネガと感じません。(むしろ手元が安定して心地よい)
一方でエリアトラウトで1g台のスプーンなんかを扱う場面では、やはりアルデバランのような限界まで軽量化されたロープロリールを使いたくなってきます。
まぁここは得手不得手の話なので、適材適所な使い方をすればいいかと思います。
キャスト性能
次は世間的に一番重要視されるであろうキャスト性能に関して。
自分が使ってきた経験から言うと、17カルカッタコンクエストBFS HGの適正ルアーウエイトは 、総合的にみると1gから20g程度です。
もちろん下限と上限ではラインセッティングが大きく異なるので、少し詳しく書いていきます。
まずブレーキシステムに関してですが、シマノのマグネットブレーキシステム「FTB (フィネスチューンブレーキシステム)」は、他のブレーキシステムと比較してそこまで優等生という印象はありません。
【参考に教えてください】ベイトフィネス機のブレーキシステムで一番良いと感じるものは?
— ナナブンノニ:みかん (@mikan_saitama) March 11, 2019
↑以前ベイトフィネスリールのブレーキシステムについてアンケートをとった結果です。(やはりダイワ強し)
特にフロロカーボンラインをがっつり巻いてしまうと、シャッドやミノー類をキャストする際にかなりピーキーな印象で、当初は扱いに困っていました…(少しの向かい風でもすぐバックラッシュする・飛ばない)
しかしPE+ロングリーダーシステムを導入してからは、FTBの印象はガラリと変わり、キャスト性能に不満はほぼなくなりました。(詳しくは下記リンクに記載しています)
ハイクラスなベイトフィネス機などを中心に搭載されているシマノ製マグネットブレーキシステムであるFTB(フィネスチューンブレーキシステム)。 評価に関しては色々と賛否両論あったりしますが、今回はラインシステムで使用感が全然変わるので要注[…]
というわけでPEラインの使用を前提としたラインセッティングで用途別にまとめていくと…
- エリアトラウト・渓流ベイトフィネスとして(1~5g程度):PE0.8号+モノフィラライン4~6LB程度
- バス釣りのベイトフィネスとして(5~10g程度):PE1.2号+フロロ8LB程度
- 巻物をメインにした釣りとして(10~20g程度):PE1.5号+ナイロン10~14LB
自分はこんな感じで使用しています。
ラインセッティングがちゃんとしていれば、1g程度のスプーンなんかもある程度はキャスト可能…
一方で1/2oz前後のルアーをメインとした巻物の釣りで使用することも可能。
Φ32mmの小口径スプールということを鑑みれば、あまりに重いルアーを扱うには適しませんが、PEライン+ロングリーダーシステムならばラインキャパシティ的にも問題は生じないので、かなり幅広い用途で扱えるリールだと感じています。
巻き心地
最後に巻き心地…これに関しては、はっきり言って最高です。
現行カルカッタコンクエストシリーズに搭載されているマイクロモジュールギアが素晴らしいのはもちろんのこと、全体の構造としてもシルキーでパワフルな巻き取りを実現できる設計がなされていると感じます。

Φ32mmスプールに6.8のハイギア仕様ということを考えてると、抵抗のあるルアーを使用する際に巻き取りが重くなるのでは?と想像する人も多いかと思いますが、自分はそのように感じることはありません。
ライトプラッキングをより楽しむのであれば、同じΦ32mmスプールのスコーピオンBFSやアルデバランBFSよりも、やはりカルコンBFSに軍配があがるように感じます。

他機種との比較
ベイトフィネスという観点だと、同じFTBブレーキを採用しているスコーピオンBFS・アルデバランBFSがありますが、ライトプラッキングという観点からすると、自分が比較対象に出したいのは20メタニウムです。
20メタニウムはΦ34mmスプール+遠心ブレーキ搭載のバーサタイルリールですが、正直言ってMGLスプールⅢのキャスト性能には驚かされました…
シマノ2020年新モデル、20メタニウムの実釣インプレッションです。 巻物から撃ちモノ、ベイトフィネス的な領域まで色々と試してきた内容をまとめていきたいと思います。 20メタニウムの特徴や内部構造 そんなわけで、早速ですが2020年シ[…]
バス釣りで使用されるシャッドやタイニークランク程度ならば、20メタニウムでも肉薄したキャスタビリティを得られます。
とは言え、もちろんルアーが軽くなるほどカルコンBFSに優位性が出てきますし、巻き心地のシルキーさなどを考えればカルコンBFSのアドバンテージは多くあるようにも感じます。
結局はどこの部分をどのレベルまで求めるか?ということに尽きてしまいますが、それくらいMGLスプールⅢ搭載機種のキャスト性能は肉薄しているなと…(オプションパーツのMGLスプールⅢの夢屋シャロースプールを入れたら、さらに…でしょうし…)
17カルカッタコンクエスト BFS HGのカスタム
最後は17カルカッタコンクエストBFS HGのリールカスタムについて。
はっきり言って、こいつはほとんど完成されているリールであるため、カスタムする(したいと感じる)ポイントがほとんどありません。
現在自分がカスタムパーツに交換している部分は、以下の2か所だけとなっています。
1.ハンドルの交換
一つ目はリールカスタムの定番であるハンドルの交換です。
純正ハンドルも十分軽くて見た目も決して悪くはないのですが、自分としては大好きなアベイル製オフセットハンドルを装着せずにはいられません。
ベイトフィネスやエリアトラウトの釣りではアベイルオフセットハンドルLT〔85mm〕を…
小型〜中型のルアーを中心とした巻物の釣りではアベイルオフセットハンドルSTi2.5〔90mm〕を…
といった感じでカスタマイズしています。
ちなみにハンドルノブに関しては、画像のとおり純正品をそのまま使うこともあれば、社外品を使うこともあるという感じです。
※細かな部分ではハンドルノブキャップを社外品に変えたり、KDWチタン製ハンドルロックナットを使用したりもしています、伝わり辛いかとは思いますが。笑
2.クラッチレバーの交換
二つ目はネガティブポイントの部分で触れたクラッチレバーに関してです。
これは現在ちょうどKDWさんが製作をされているところでして、おそらく近々リリースされると思われます。
最終プロト品を使用させてもらっていますが、とても良いです…!

製品としてリリースされた際には、是非とも使ってみてもらいたいパーツですね…
カルカッタコンクエストBFSを愛用されている方は是非!!
深溝スプール化(参考)
最後は参考までにの話ですが、以前はアベイル製の深溝スプールを入れていたこともありました。
カルカッタコンクエストBFS最大の弱点「ラインクアパシティ」・・・これを解決すればおかっぱりでも使える最強ライトプラッキング機になる…かも!? ということで、アベイル マイクロキャストスプール【17CNQ29R】を搭載させたカルコンB[…]
しかしながら自分としては期待していたキャスタビリティが得られなかったことと、PEラインを使うようになったことでラインキャパシティへの不満が解消されたことにより、出番はなくなってしまいました。

FTBは構造上、スプールのカスタマイズは結構難しいのではないかと思われます…構造上、深溝スプールを作るにも限界がありますし、純正スプールで用が足りるのであれば、それを使うに越したことはないのかな…という印象です(^_^;)
まとめ
かなり長くなってしまいましたが、17カルカッタコンクエストBFS HGに関して、自分が使ってきて感じたことを余すことなく書いてみました。
あ、あとおしまいにひとつだけ付け加えさせてください、「結局そこ?」と言われてしまいそうですが…
このリールめちゃくちゃカッコイイです\(^o^)/
個人的には過去に使ってきたリールの中でほぼ最上位のかっこよさです。笑
スペックとしては万人受けするリールではないかもしれませんが、バス釣りにしろ渓流ベイトフィネスにしろ凄く絵になる感じがあるので、自分は大好きなリールです!
今後も愛用していきたいと思います♪