【自作クランクベイト、目の入れ方】3つの方法と私の経験談・手法

ハンドメイドクランクベイトといえば、可愛らしい丸い目のイメージが強いかと思います。

今回はそんな「目」の入れ方について、いくつかの手法や自分の経験についてまとめていきます。

悩ましい自作ルアーの「目」

というわけで、ハンドメイドクランクベイトの製作工程でちょっとした、でもルアーの印象を大きく左右する、とても重要な作業である「目入れ」に関するお話です。

昨今、市販のインジェクションルアーはほとんどが3Dアイとなっていますが、ハンドメイドクランクベイトに関しては今も昔も変わらずに、円状の白目の中に円状の黒目というのが王道スタイルかと思います。

クランクベイトの目の入れ方

このつぶらで可愛いらしいザ・クランクベイトという感じの目が堪らないんだよね〜というアングラーさんも、結構多いのではないかなと。笑

そんなクランクベイトの「目」に関しては、クランクベイトを自作し始めた頃、どうやって入れれば上手くいくのか、結構頭を悩ませた課題でした。

プロハンドメイドルアービルダーさんに直接聞くなんてもちろん失礼極まりない…しかし一方、ネットで情報を漁っても中々簡単には見つからない…という感じでしたので、色々と手探りでやってきたところはあります。

3つの目入れ方法

といっても正直、目の入れ方なんて、どんな手法でもありっちゃありだとは思います。

特に「自分用」としてルアーを製作するのであれば、そんなにこだわらなくても、ある程度「それっぽい感じ」になればいいのではないかなと…

そんなわけで、ここから自分がルアー製作を始めた頃から、実際にやったことのある目入れの手法について3つばかり紹介していきます。

シール方式による目入れ

まずはシール方式です。

これは非常に単純で、シールをポンチで打ち抜き、大きな円形シールの上に小さな円形シールをのせて貼り付ける、というものです。

クランクベイトの目の入れ方

上画像は黄色いマスキングテープをポンチで打ち抜いてアイシールを作成しています。詳細はコチラの記事を覗いてみてください☟

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最大のメリットは、失敗のリスクが非常に低いこと。

後述するペイント方式だと一発勝負的な要素が強いですが、これはアイの位置をいくらでも微調整できますし、その後トップコート時に色流れを起こしてしまうということもないので、ルアー製作を始めたばかりという方は、まずここからやってみるのが良いかと思います。

デメリットはアイの部分に凹凸が生じること、カラーパターンが限られてくることでしょうか。

ただし、前者については極力薄い素材のシールを使用することでほぼ解決します。

自分の例でいえば、過去にマスキングテープの他、水転デカールも使ったことがあります。

↑初期に製作したこれらのクランクは、どれも水転デカールのアイになっています。

後者についても、工夫次第ではどうにでもなるので、突き詰めていけばペイント方式とほぼ遜色ない仕上がりになるかと思います。

スタンプ方式による目入れ

ペイントで行う手法は大きく2つで、1つはスタンプ方式です。

目入れ棒の先に塗料を付けて、目を入れたいところへスタンプするのですが、自分はこれ凄く苦手です。笑

過去に挑戦したことはもちろんありますが、あまりに失敗するのでもう諦めました。笑

↑クランクベイトを作り始めたころにスタンプを挑戦した記録が残っていました。まぁ酷いもんだ。笑

ちなみに目入れ棒というのは円柱状の金属棒であれば、何でも良いかとは思いますが、一般的にはエッジがとられている形状が使われています。

市販の工具で言えば、ドリルピットの上部がこの形状になっているので使っている人も多いようです。

ハンドメイドルアーの目を入れる道具

あと、重要なのは塗料の希釈率だと思います。

スタンプをするのに丁度よい粘度・塗料濃度に調整できていないと、まぁ失敗しますね。(自分のように。笑)

スタンプ方式のメリットはエアブラシなどがなくてもペイントアイができること、エッジがはっきりしたキレイな仕上がりになることでしょうか。

伝統的な手法なので、メーカーさんにはとにかく目入れだけをひたすら担当する「目入れ職人」的な方がいるという話をどこかでちらっと聞いたこともあります。(本当かどうかは知りませんが。笑)

クランクベイトの目はどう入れるべきか
▲いやープロの目入れは本当に非の打ちどころがない仕上がりですね。

デメリットは習得するまでには結構な努力が必要という点です!!

ステンシル方式による目入れ

ペイントで行うもう一方の手法は、ステンシル方式です。

ステンシルでペイントされたアイ

丸く打ち抜いたステンシルシート(またはマスキングテープ)をルアーにあてて、エアブラシで吹き付けるという形でペイントを施します。

一般的なプラスチック製ステンシルシートだと、クランクベイト特有の曲面に上手く当てて塗料を吹き付けるということが難しいので、特殊なステンシルシートが使われたりします。

自分の場合だと、普通にマスキングテープを使用しています。

最近は目が入る位置を確認しやすい方眼模様が入った透明なマスキングテープを使ってみていますが、まぁ慣れれば普通のマスキングテープでもイケます。(細かい話をするとマスキングテープでも向いてる素材、向いてない素材いろいろですが。ちなみにこの透明マステも粘着力がちょっと弱いという不満点もある。)

実際の行程を画像と共に解説していきますと…

ハンドメイドルアーのペイント
▲まずは台座となるプラスチックシートにマスキングテープを貼り付けまして…
ステンレスシートの作り方
▲ポンチで打ち抜きます。ポンチは100均一でも買えますが、サイズが限られるので、欲しいサイズを確実に入手したい場合は手芸屋さんへ。
ステンシルアイの入れ方
▲カットしたマスキングテープを、目を入れたい部分に貼り付けます。
クランクベイトのアイをペイント
▲口径0.3mmのエアブラシで塗料を吹き付けます。
クランクベイトの目を入れる
▲マスキングを外すとこんな感じに。使う塗料やそれの吐き方などは、やっているうちに「自分なりのコツ」がわかってくると思います。こればかりは文字では書けない部分(^_^;)
ルアーのペイント方法
▲片目ずつ入れていきます。
ハンドメイドルアーに目を描く
▲もう片方にも目が入りました。これで白目部分が終了。
トップコート前のクランクベイト
▲ちょっと画像を省略しましたが、黒目部分は一回り小さい穴のマスキングテープを貼りつけて黒目を吹けば完成です。(これも片目ずつ作業する)
クランクベイトのペイント
▲こっちは別カラーで黄色目に。
クランクベイトの製作工程
▲黒目を入れた直後の状態がコチラ。

塗料が乾く前にマスキングテープを貼りつけてしまうと、当然塗装がヨレてしまうので、工程ごとにきちんと塗料が乾いてから作業します。

それってめちゃくちゃ面倒…と思われそうですが、時短する方法はいくつかあります。

速乾性のシンナーを使ったり、塗料を隠蔽力の高い物にして、極力薄く吹いたり…など。

複数のルアーを同時に作業するのであれば、乾燥時間をわざわざとることもなく順を追って作業進められます。

といっても、手間に関しては他の手法と比較したらまぁだいぶかかると思います。汗

それと、最大のデメリットはエアブラシや塗装ブースなど、ペイント設備一式がないと行えない点ですね。

ただし、機材がそろって、自分なりのやり方も身につければ、アイの表現(大きさや白目黒目の比率、カラーなど)は自由自在。これは非常に大きなメリットです。

エアブラシに関しては、ダブルアクション方式のものであれば安くても大丈夫かと思いますよ、それこそ充電式エアブラシでも♪

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現在はステンシル方式を採用

というわけで「目入れ」について3つの手法を紹介しましたが、現在自分はステンシルアイ方式でルアー製作を行っています。

トップコートの種類によっては色流れのリスクを考えるとシール方式にメリットがあるとか、スタンプ方式で上手くやれるんならそれが一番手間なく完成させられるとか、色んな考え方があると思いますが、自分は一番失敗なく、納得のできる仕上がりになるのはステンシル方式だった、という感じです。

エアブラシや塗装ブースを導入することにハードルがある方も多いかと思いますが、一度導入すればずっと使えるものではあるので、価値ある資産にはなると思いますよ(^^)

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まとめ

クランクベイトの「目入れ」について、これまでの経験や現在の手法をまとめました。

少し前にアンダーコートの話はまとめたし、トップコートの話もしたので、これで大体ハンドメイドルアー関連の細かな話はブログに上げられたかな?と思います。

あとはどこかで時間を作って、総まとめ的な記事を作成する予定です。

まぁあくまで素人製作の話ですので、大して参考にならないかもしれませんが(^_^;)

ではでは。