リールのハンドルノブにべアリングを追加するというチューン(リールカスタム)はよく聞く話だと思いますが、事細かに書いているサイトがあまり見当たらなかったのでまとめてみました。
どちらかと言えばリールカスタム初心者さん向けの記事となりますが、ガタつき調整やボールベアリングを入れることのメリット・デメリットについても書いてみたので、興味ある方がお付き合いください♪
ハンドルノブにベアリングを追加する
というわけで超今更ですが、ハンドルノブにベアリングを入れるカスタムについてまとめてみます。
新発売されたリールのスペックで注目する部分のひとつに「ボールベアリングの数」があるかと思います。
ハンドルノブはハンドルのシャフトに対して両端をベアリングで支持することになりますから、ベイトリール(またはスピニングのダブルハンドル)だとここに最大4つのベアリングを入れることが可能なわけです。

一般的な大手3社のベイトリールで言えば、定価ベースで0.5万〜2万だとベアリング0個(樹脂カラー4個)、2万〜4万くらいがベアリング2個+樹脂カラー、それ以上がベアリング4個…というような感じでしょうか。
ハンドルノブの軸受けがベアリングの場合、当然ハンドルノブの回転は良くなりますが、コスト的には多少高く付くわけで、メーカーさんとしてはコスト的にもカタログスペック的にも価格帯別で棲み分けしているような感じなんだと思います。
メリットだけではない。デメリットもある。
コスト面を無視すれば、当然ハンドルノブの軸受けはボールベアリングにするよね…というのが一般論だと思いますが、地味にデメリットもあると感じます。
まず一つは、「ちゃんとメンテナンスしない or 状態の悪いベアリングを入れたら逆効果」ということです。
簡単にいえばゴロゴロに傷んでるベアリングを入れたら、当然ハンドルノブの回転は悪くなるし、ノイズ感も凄いことになります。(なんてったってハンドルノブは指に一番近いパーツですからね)
また、初期状態はすこぶる良い回転だったとしてもメンテナンスなしに酷使し続けて砂噛み・塩噛みを放置していれば同じくような状態になります。
グリスを塗った樹脂カラーの場合は、当然初期状態から回転が重いものの、この辺の問題とは無関係なのはメリットともいえます。

さらに、後述しているようにベアリングを追加する場合はシム調整(ワッシャーを入れてハンドルノブのガタ付きをなくす調整)が必要となりますが、これがしっかり決まっていないとハンドルノブが左右にガタガタして結構なストレスとなります。
逆にワッシャーで厚みを出しすぎてもビスやワッシャーがベアリングと干渉して回転が重くなってしまいます。
その点、元々の樹脂カラーをバラさずにそのまま使うのであれば、メーカーが組み上げた状態のきちんとしした状態になっているはずなので安心ですよね。
全てのリールがベアリング追加できるわけではない。
いやでもベアリングを追加して、ハンドルノブの回転をスムーズに軽くしたいからやるぜ!
…と思ってもちょっと注意。
どんなリールにでもハンドルノブにベアリングを追加できるわけではありません。
ハンドルノブがカシメ止めされてしまっているリールもあるので、そういう機種はもちろん無理ですよね…

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つまり、ベアリングを追加できるリール≒ハンドルノブを交換できるリールというわけです。
…が、=ではなく≒となっている理由は、20年とか30年とか昔のリールについては、そもそも樹脂カラーすら入っていないタイプのハンドルがあるからなんてす。
久しぶりに入手したオールドシマノの92メタニウムXT(通称「赤メタ」)がまさにそれでした。笑
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これらの場合では、もうハンドルごと交換するしかありませんね(^^;)
ハンドルノブにボールベアリングを追加する方法
前置きが長くなりましたが、ここからようやくハンドルノブにベアリングを追加する方法を解説していきます。
手順としては…
- ハンドルノブキャップを外す
- ハンドルノブ固定ビスを外す
- ハンドルノブと樹脂カラーを取り出す
- 樹脂カラーの替わりにベアリングを入れる
- シム調整する
- 逆手順で戻す
こんな感じですね。(道具が揃っていれば10分もかからず完了する作業です)
まずはハンドルノブキャップを取り外します。
これは基本的にノブに押し込まれているだけなので、力技で引っ張れば取れます。
ハンドルノブキャップリムーバーというものがあると、とても楽ちんなわけですが、持ってない人はとりあえずクリップなどの針金状のものを曲げて先端に引っ掛けて取る…というのでも良いかと思います。

ハンドルノブキャップを取り外すと中にビス止めされているのがわかるので、これをプラスドライバーで緩めます。
ビスを緩めたらハンドルノブを外して、中の樹脂カラーを取り出します。
この白い樹脂カラーを、同サイズのボールベアリングに交換します。
あとは必要に応じて調整ワッシャーを挟み込み、逆手順で組み上げて完了となります。
ハンドルノブのシム調整
ハンドルノブのシム調整に関して、自分は正直「こういう場合はこう」という正解があるわけでなく、自分でワッシャーを入れたり抜いたり厚い・薄いを交換したりしてやるものだと思っています。
ただそれだけ書くとなんだかリールカスタム初心者の方からするとすごくハードル上がりますよね(^_^;)
安心してください、基本的には購入したベアリング+リールに元々付属している調整ワッシャーを組み合わせてあげれば問題なく取り付けられます。

また、ベアリングが付属しているカスタムハンドルノブを購入すると、必ず調整ワッシャーの位置を含めた取り付け方法について説明書に記載されています。
基本的にはこれに沿って組み上げれば、ばっちりシム調整が完了するようになっています。

しかし、取り付けたはいいがなんか僅かにガタつく気がする…または引っかかる感じがする…という場合には、厚みの違うワッシャーを入れたりして、自分が納得する状態に持っていきます。
カスタムパーツを色々買い漁っていると、このシム調整ワッシャーが必然的にたまっていくので、特に買わずともたくさんストックがある状態なのです。笑
もちろん、ヘッジホッグスタジオではシム調整ワッシャーだけでもかなりの種類を取り揃えています。
ハンドルノブで使用するのはステンレス製の内径4mm×外径6mmの調整ワッシャーで、厚さ違いで0.01mm、0.03mm、0.05mm、0.08mm、0.1mmなどがラインナップされています。
どうにもベアリングカスタム後のシム調整が上手くいかない場合には、別途注文してしまうのが近道かもしれません。
P-WA 内径4mm×外径6mm×厚み0.03mm ステンレス製 調整ワッシャー(シム) 2枚組 【ハンドルノブ等】(シマノ...
ちなみにハンドルノブのシム調整についてはカケヅカさんも書いていましたね、こちらも参考になるのでどうぞ(^^)
ハンドルノブ用ベアリング3選
最後にハンドルノブ用のベアリングに関して3つほどご紹介しておきます。
個人的には、正直そんなに高級なベアリングを入れる必要性はないと思います。
スプール周りのように高速回転するわけでもないし、あくまで軸受けだからという考えだからです。
しかしあまりに品質の悪いベアリングを入れても本末転倒ですし、高いベアリングにはそれ相応の理由があります。(防錆性や回転性能、国内製造で製品検査が高い水準で行われている等)
安いベアリングを脱脂して自分で選別し、専用オイルを入れ直すということをやる方もいるかと思いますが、中々そこまで出来ないという人は中〜高価格帯ベアリングを選ぶのが間違いないかなとは思います。(あとはお財布と相談)
ヘッジホッグスタジオ SHGプレミアムベアリング
製品特徴は以下の通りです。
・最終検査は機械測定器と人間の手によってすべて2重検査され、工業規格に収まらない、独自の精密検査に合格したものだけを選別。
・ベアリングに充填するオイルは、リール専用ベアリングのために開発したアルケミーオイルを使用。
・但し値段はかなりお高め。汗
ヘッジホッグスタジオ ECC-740ZZ
製品特徴は以下の通りです。・回転性能よりも耐久性を重視したセッティング。
・最終検査は機械測定器で全数検査。
・ベアリングには一般的な防錆グリスを充填。
ミネベア ミニチュアベアリングDDL-740ZZ
ミニチュアベアリング 【NMB】 ステンレス 両シールド付 DDL-740ZZ 674ZZ 内径4mm×外径7mm×幅2.5mm (4個入り)
製品特徴
・コスパ最強のため愛用者も多く、自分もその一人。
・しかしヘッジホッグの国内生産ベアリングと比較するとやや製品の検品精度や保管状態など気になるところ。
先程少し触れましたが、上記の3つの製品は全てシマノ・ダイワ用サイズとなるので注意してください。
アブ純正ハンドルに取り付ける場合にはコチラ↓などになるかと思います。
まとめ
リールのハンドルノブに入っている樹脂カラーをベアリングに交換する方法やメリット・デメリットについてまとめてみました。
ハンドルノブへのベアリング追加やハンドルノブ自体の交換は、リールカスタム経験がなくても簡単にできる作業ですし、ダイレクトに手が触れる部分だけあって、効果実感の高いカスタムになります。
気になる方は是非トライしてみてくださいねー/(^o^)\
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